研究課題/領域番号 |
23K27863
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補助金の研究課題番号 |
23H03173 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 (2024) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2023) |
研究代表者 |
内富 庸介 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60243565)
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研究分担者 |
藤森 麻衣子 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 室長 (40450572)
松岡 歩 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 特任研究員 (70833870)
明智 龍男 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (80281682)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2027年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2026年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 高齢がんサバイバー / QOL / 価値観・選好 / アンメットニーズ / がんサバイバー / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
人生百年時代を迎え、現在、年間100万人のがん罹患者は激増しており、約半数は治癒するとはいえ高齢がんサバイバーの重畳は、サバイバーシップケアの計画次第では医療・介護提供体制を崩壊させかねない。高齢がんサバイバーの特性に応じた社会保障体制の精密最適化は世界の喫緊課題である。本研究では、高齢がんサバイバーの中長期的複合アウトカムとなるQOLの概念化を行い、その概念を測定可能な要因として尺度化し、介入可能な要因を同定する。そのうえで、日本の個人特性・地域文化特性要因に即した複数の階層的介入コンポーネントからなる高齢がんサバイバー介入プログラムを開発し、有効性の検証および社会実装を行う。
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研究実績の概要 |
人生百年時代を迎え、現在、年間100万人のがん罹患者は激増しており、約半数は治癒するとはいえ高齢がんサバイバーの重畳は、サバイバーシップケアの計画次第では医療・介護提供体制を崩壊させかねない。高齢がんサバイバーの特性に応じた社会保障体制の精密最適化は世界の喫緊課題である。 本研究の目的は以下2点である。【目的1】高齢がんサバイバーの特性を構成する要因は単なる疾患治癒という医学的アウトカムのみではないため、スコーピングレビューとステークホルダーへの面接調査により中長期的複合アウトカムとなるQOLの概念化を行う。次にその概念を測定可能な要因として尺度化、代表性を担保した大規模横断調査を行って介入可能な要因を同定する。【目的2】日本の個人特性・地域文化特性要因に即した複数の階層的介入コンポーネントからなるモバイルアプリ/eHealthを用いた高齢がんサバイバー介入プログラムを開発し、革新的な多層最適化戦略と逐次複数割り当て無作為化試行により有効性を検証し、地域リソースに応じてAIによりリアルタイムに最適化できるプログラムを社会実装する。 本年度(2023年)は、研究1として日本の高齢がんサバイバーのQOLの特徴を明らかにするためのスコーピングレビューに着手した。リサーチクエスチョン(Step 1)は、1.高齢がんサバイバーのQOLの特徴、2.高齢がんサバイバーの価値観や選好の特徴、3.高齢がんサバイバーが必要とするサポートや情報である。3つのデータベース(MEDLINE, PsycINFO, 医中誌)を用いて文献検索を実施し(Step 2)、独立した2名がスクリーニングを行い(Step 3)、データを抽出した(Step 4)。今後、結果をリサーチクエスチョン毎にまとめ(Step 5)、レビュー結果臨床妥当性を確認するため(Step 6)、面接調査を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度(2023年)は、日本の高齢がんサバイバーのQOLの特徴を明らかにするためのスコーピングレビューを実施した。リサーチクエスチョン(Step 1)は、「日本の高齢がんサバイバーのQOLにはどのような特徴があるか?」「日本の高齢がんサバイバーの価値観や選好にはどのような特徴があるか?」「日本の高齢がんサバイバーが必要とするサポートや情報は何か?」である。3つのデータベース(MEDLINE, PsycINFO, 医中誌)を用いて網羅的な文献検索を実施し(Step 2)、独立した2名以上でスクリーニングを行い(Step 3)、データを抽出した(Step 4)。2024年度は、結果をリサーチクエスチョン毎にまとめ(Step 5)、論文化し投稿する。さらにレビュー結果がステークホルダーのニーズと合致しているかを確認する目的で(Step 6)、高齢がん患者のサバイバーシップケアに関わる医療・介護・福祉サービス提供者、患者とその家族、一般市民などを対象にインタビュー調査を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り研究を実施する。初年度(2023年)は、研究1として日本の高齢がんサバイバーのQOLの特徴を明らかにするためのスコーピングレビューに着手したので、2024年度は予定通り、スコーピングレビューを継続し、結果をテーマ毎にまとめ論文化し投稿する。 研究2としてスコーピングレビューの結果について、ステークホルダーのニーズと合致しているかを確認する目的で面接調査/インタビュー調査を行う。調査の対象は、高齢がん患者のサバイバーシップケアに関わる医療・介護・福祉サービス提供者、患者とその家族、一般市民、厚生労働省の保険局技官を想定している。分析結果に基づいて、高齢がんサバイバーの中長期的複合アウトカムとなるQOLの概念化を行い、テーマごとに分類し尺度化する。 研究3として、QOLを尺度化したものについて、介入可能な要因を同定するために、代表性のある高齢がんサバイバーを対象に横断調査を実施する。具体的には、全国の65歳・75歳・85歳・95歳以上の高齢がんサバイバーとその家族を対象に質問紙の郵送調査を行う。代表性を担保するため、都市部(10か所)および地方(10か所)のがん診療拠点病院に勤務する腫瘍医に協力を呼びかける。多変量解析にて20個~30個のテーマを分析するため、有効サンプル数500名、先行研究から回答率を25%と想定し、2,000名を対象とする。
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