研究課題/領域番号 |
23K27864
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補助金の研究課題番号 |
23H03174 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
宮下 光弘 公益財団法人東京都医学総合研究所, 社会健康医学研究センター, 副参事研究員 (60532132)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2027年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2026年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2025年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | オキュロミクス / 網膜 / 思春期コホート / 東京ティーンコホート / 精神疾患 / メンタルヘルス / 精神病 / 老化 |
研究開始時の研究の概要 |
「眼」は脳の一部で、脳の異常を反映する「窓」とも呼ばれています。眼(特に網膜)の状態から病気の状態や経過を予測する研究を“オキュロミクス”といいます。私たちは、痛みを伴わず、かつ短時間で網膜を調べることができる最新鋭の測定器(光干渉断層計)を、日本で最大の思春期コホート(東京ティーンコホート)に導入し、「オキュロミクスによって精神疾患の発症が予測できるかどうか」という仮説を調べようとしています。さらに、東京ティーンコホートのデータベースに蓄積されている膨大なデータを活用し、発症前の網膜の異常を予測できる要因を見つけて、発症予防の糸口を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では予定研究期間中 (5年間) に、思春期の網膜の異常が精神疾患の発症を予測するかどうかについて検証し、さらに、思春期の網膜異常を規定する環境要因や生活要因を同定して新たな予防的介入点を見出すことを目的としている。 昨年度(2023年度)は研究期間1年目に該当した。当初の研究計画通り、来所型東京ティーンコホート(Tokyo Teen Cohort;TTC)の被検者(19歳から20歳)を対象としたベースライン調査(T0)を実施した。2023年4月1日から2024年3月31日の1年間に、358例の被検者が来所し、最先端の光干渉断層計(Optical coherence tomography; OCT)によって網膜の厚さ、網膜血管の構造などのデータを収集した。2022年度から開始していた予備調査と併せて、現在までに延べ580例の網膜データを蓄積することができている。また、来所型TTCでは、血圧、身長、体重などの基礎的な身体指標に加えて、統合失調症関連疾患および精神症状評価を含むメンタルヘルスの指標、酸化・糖化ストレスの程度、血液検査、尿検査など生理検体の収集も並行して実施している。TTCのデータベースには胎生期~3歳時点 (母子手帳情報)、10歳時点、12歳時点、14歳時点、16歳時点の発達や健康、環境、生活習慣等の膨大な情報 (約4,900項目) がある。 以上から、本研究の目的である網膜所見の異常と精神病の発症予測可能性について、また、思春期の網膜異常を規定する環境要因や生活要因を同定して新たな予防的介入点を見出すことについて、様々な交絡要因を調整して解析するための準備が整いつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画では、2023年度はベースライン調査(T0)の実施を予定していた。上述した通り、来所型TTCに協力いただいている被検者数は順調に推移しているため、網膜データ、精神病に関するデータも概ね順調に蓄積しており、研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画では、来年度も2023年度より引き続きベースライン調査(T0)の実施を予定している。すでに580例のデータを収集し終えたが、来年度も数多くの被検者が来所型TTCに参加する見通しである。また、一人でも多くの方に研究に協力していただけるための方策を検討・実施することで、可能な限り多くのN数(目標症例数:1000例)を確保する。
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