研究課題/領域番号 |
23K27899
|
補助金の研究課題番号 |
23H03209 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古田 真里枝 京都大学, 医学研究科, 教授 (20390312)
|
研究分担者 |
ドーリング 景子 京都大学, 医学研究科, 助教 (10839111)
常田 裕子 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40622486)
大滝 千文 京都大学, 医学研究科, 講師 (50454476)
山田 重人 京都大学, 医学研究科, 教授 (80432384)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
|
キーワード | 産後PTSD / PTSD / テトリス / RC T / システマティックレビュー / メタアナリシス / ランダム化比較試験 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,出産を原因とした心的外傷後ストレス障害(産後 PTSD)が増加している。産後 PTSDは自殺や児童虐待を助長する因子であるにも関わらず認知度が低く,現在,日本には確立された予防指針がない。本研究の目的は,日本の状況に即した産後 PTSD の予防指針を策定することである。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本の状況に即した産後心的外傷ストレス症候群(Posttraumatic Stress Disorder: 以下産後PTSD)の予防指針に必要なエビデンスを構築することである。具体的には、①日本で検証されていない単純な心理介入(パズルゲーム:テトリス)の産後PTSD予防に対する有効性を評価すること、②その結果をシステマティックレビュー・メタアナリシスで他の介入効果や海外のデータと共に統合評価しながら日本に適した介入を見出すことである。今年度は、パズルゲーム(テトリス)の有効性・安全性を評価するランダム化比較試験(Randomised Control Trial: RCT)のプロトコルの倫理申請を行い承認を得た。また実施施設との連携を強化し、サポート体制を構築することに努めた。 更に、既存のRCTの結果を統合するシステマティックレビュー・メタアナリシス(統計手法による統合)を実施するため、国際基準を定めたPRISMAに従いプロトコルを作成した。関連研究収集にあたり、電子データベース(Medline, CENTRAL, PsycINFO, Embase, CINAL)から研究を入手し、国内外の専門家や公的機関にもコンタクト取った。インドネシアで実施されたICM(国際助産師連盟国際学会)に参加し関連研究への情報収集やディスカッションを行うとともに、英国訪問を通じて海外の研究者から助言を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心理介入(パズルゲーム)の産後PTSD予防に対する有効性を評価するRCTの倫理承認に時間を要したため。しかし、システマティックレビューの進捗に関しては順調である。
|
今後の研究の推進方策 |
産後PTSD予防に対するテトリスの効果の検証については、標本数200名程度の帝王切開後の褥婦を対象に、テトリスを介入とする2群間並行ランダム化比較試験を、関西の分娩施設1施設にて実施する。プライマリアウトカムは、産後1週間の急性ストレス障害の症状と産後1ヶ月のPTSD症状、セカンダリアウトカムは、産後うつで信頼性・妥当性が検証されている自己質問標を用いで評価する。アウトカムに応じて統計解析(ANCOVA、Regression、Intention to treat analysis等)を実施する。
システマティックレビューに関しては、プロトコルで定めた適格基準・除外基準に従い研究を選定する。選定された個々の研究結果のバイアス評価をコクラン共同計画が推奨する「Risk-of-bias tool2」と「ROBINS-I」で系統的に評価する。その後、データを抽出し、十分なデータが認められればメタアナリシスを実施する。メタアナリシスには、Random-effects modelを用い、要約効果量と信頼区間を推定する。また、効果のパターンや対象の特性ごとに異なる効果量の違いを明らかにするためHeterogeneity(異質性)評価し、サブグループ解析やMeta-regressionを実施する。最後に「エビデンスの強さ」の評価をGRADE(Grading of Recommendations Assessment,Development and Evaluation)」で行い、アウトカムごとに「エビデンス総体」を決定する予定である。
|