研究課題/領域番号 |
23K27902
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補助金の研究課題番号 |
23H03212 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤屋 リカ 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 准教授 (40583935)
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研究分担者 |
大川 純代 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国際医療協力局, 上級研究員 (50747673)
桐谷 純子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (90797177)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ヘルスリテラシー / 学校保健 / パレスチナ / 紛争 / 混合研究法 |
研究開始時の研究の概要 |
長期化する紛争下では、人々は根源的な問題の解決が困難な状況の中で生きており、青少年の精神・心理面の健康への負の影響は大きい。ヘルスリテラシー(以下、HL)は、精神・心理面の健康や生活の質の向上にも影響している。政治的社会的に困難な状況にあってもよりよく生きるために、HLはその一助となる可能性を持つ。 本研究では、慢性的紛争下のパレスチナにおいて、青少年のHLの実態を把握し、HLと主観的健康の認識や幸福度、暴力による曝露との関係を明らかにし、状況が異なる地域の比較を通して、相違点を特定する。そして、その結果に基づき、学校保健教育において使用可能な、HL向上のための教育ツールを開発する。
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研究実績の概要 |
長期化する紛争下では、人々は根源的な問題の解決が困難な状況の中で生きており、青少年の精神・心理面の健康への負の影響は大きい。ヘルスリテラシー(以下、HL)は、精神・心理面の健康や生活の質の向上にも影響している。政治的社会的に困難な状況にあってもよりよく生きるために、HLはその一助となる可能性を持つ。 本研究では、慢性的紛争下のパレスチナにおいて、青少年のHLの実態を把握し、HLと主観的健康の認識や幸福度、暴力による曝露との関係を明らかにし、状況が異なる地域の比較を通して、相違点を特定する。そして、その結果に基づき、学校保健教育において使用可能な、HL向上のための教育ツールを開発する。本研究は、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区にあるビルゼイト大学地域公衆衛生研究所と共同で実施する。 2024年度は、4年間の計画の初年度であり、共同研究先であるビルゼイト大学と調整し、パレスチナ側の本研究の担当者も決定した。4年間の研究計画を確認し、2025年度のデータ収集に向けて、青少年のHLに関しての質問紙の作成及び研究倫理審査を受理することを重点的に実施することになった。 また、本研究の背景情報である、中東の青少年の青少年のHLに関するスコーピング・レビュー論文が国際学術誌に受理され発表した。 2024年10月からのパレスチナ情勢の急激な悪化により、2025年度のデータ収集について、情勢のある程度回復するまでは時期の決定できない状況になった。また、アンケート内容に関しても、情勢悪化を考慮する必要が出てきたため、検討と修正を重ねて、実施に向けて可能な範囲での準備は進めた。同時に、本研究の前段階としての研究で収集したデータを、本研究の背景に関わる内容として分析を継続した。そのデータ分析をもとに、3編の論文をまとめ、2編は国際学術誌に投稿し査読を受けている段階であり、1編は投稿に向けての執筆が完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2024年春にビルゼイト大学と研究計画の調整し、2024年度後半に研究計画についての倫理審査を受け、2025年夏にヨルダン川西岸地区でのデータ収集を進める予定にしていた。しかし、2024年10月からのガザを中心としたパレスチナ情勢の悪化により、ガザでの停戦など一定の状況の改善がみられるまでは、データ収集を延期することになった。その目途が立たないため、研究はやや遅れており、今後の遅れが見込まれている。
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今後の研究の推進方策 |
パレスチナ情勢について、十分に情報収集を進めながら、データ収集の時期や方法を検討していく。また、情勢の悪化が青少年に与える影響も懸念されるため、アンケート内容の作成も状況を鑑みながら修正していく。また、渡航が困難な場合は、パレスチナの研究者とはZoomやEメールを通して、対面に代わるかたちで共同での研究計画を継続していき、実現可能な形でのデータ収集を目指す。 また、引き続き、本研究の前段階としての研究である、慢性紛争下における栄養問題の二重負担:克服の鍵としてのヘルスリテラシー(基盤研究B)、ヘルスリテラシーや学校保健活動参加がパレスチナ人生徒の就学継続に与える影響(基盤研究C)で収集したデータについて再度精査し、詳細のデータ分析などを通して、本研究のアンケート内容の質の向上に努める。 また、特にアラビア語圏の中東における青少年のヘルスリテラシーに関しての研究は、新しく始まった段階なので、最新の研究に関してのレビューも継続する。
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