研究課題/領域番号 |
23K27934
|
補助金の研究課題番号 |
23H03244 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
野嶌 一平 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (20646286)
|
研究分担者 |
美馬 達哉 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (20324618)
植木 美乃 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40467478)
宇野 光平 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (50873585)
松井 佑介 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (90761495)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2026年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
|
キーワード | 脳筋ネットワーク / 歩行 / 筋シナジー / 聴覚リズム刺激 / パーキンソン病 |
研究開始時の研究の概要 |
歩行機能の向上を目指す従来のリハビリテーション(リハ)介入では、筋力や可動域といった構造的な問題の解決を目指した介入が主に行われていた。一方で、歩行を制御する脳や筋の協調的な機能への介入も重要であるが、これらのネットワーク間の相互的関係性と歩行機能の関係性は十分にわかっていない。本研究では、歩行中の脳筋ネットワーク評価を確立するとともに、ネットワーク構造を基盤とした全く新しいリハ介入の開発を行い、歩行機能向上に向けた新しいリハ介入の確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
研究の第1段階として、歩行時の脳筋間のメタ・ネットワークを評価した。健常若年者20名を対象に歩行中の脳活動および筋活動を計測し、歩行のリズムや速度といったパラメーターに関連する脳および筋ネットワークの特徴量の抽出を行った。筋ネットワークの解析では、解剖学的な筋同士のつながりについて、骨格筋システムと筋協調活動の単位である筋シナジーを算出している。筋シナジー解析については、統計学的な確率近似モデルを作成することで、安定した筋シナジー推定を実現するアルゴリズムの開発を行い、現在論文投稿中である(Matsui, Nojima. Under review)。脳筋間の連結性に関しては、皮質筋コヒーレンス解析により評価を進めている。コヒーレンス解析においては、1歩行周期中の筋活動区間を個別に抽出し、対象区間における連結性を評価した。この区間抽出においては、筋活動時間が被験者ごとで異なるため、ウェーブレット解析を基盤としたコヒーレンス解析を採用し、実施している。また、聴覚リズム刺激を付加することで、脳筋ネットワークの有意な活性化が見られている。今後、縦断的な介入実験により脳活動による筋活動制御の歩行運動への因果的関与のメカニズムを明らかにしていく。 研究の第2段階としては、健常成人における歩行データ収集および解析に加え、パーキンソン病患者など歩行障害を有する患者を対象としたデータも収集し、歩行機能変化とネットワーク間の関係性を縦断的に検討していく。そして、疾患特異的に破綻した脳筋ネットワークを調整する安全な介入手法の開発を進めていくことを予定している。特に、介入における最適な方法(回数や頻度)、効果発現機序、効果継続期間など、多角的に検討し、臨床で利用可能な方法の提案を行っていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常成人を対象とした歩行データ計測は計画通り進み、データ解析プラットフォームの開発はほぼ完了している。またパーキンソン病患者など歩行障害を有する患者のデータ計測も開始しており、全体としてはおおむね順調である。
|
今後の研究の推進方策 |
聴覚音リズム刺激による脳筋ネットワーク修飾効果について、現在得られているデータを元に論文化を進める。さらに、歩行機能障害を有する患者(パーキンソン病患者など)のデータを解析することで、歩行運動に関連するまたは歩行異常に関連する脳筋ネットワーク特徴量を明らかにする。そして、選択されたパラメータを基盤とした閉ループ制御介入システムの開発を進めていく。
|