研究課題/領域番号 |
23K27944
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補助金の研究課題番号 |
23H03254 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
櫻田 武 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (40588802)
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研究分担者 |
山本 紳一郎 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (30327762)
福本 貴彦 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (10412149)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2026年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | ニューロフィードバック / 注意 / 自律神経系 / 現場適用 / SSSEP / SSVEP / 個人差 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中患者における運動機能障害リハビリテーション効果を高めるには、運動中に注意を適切な場所へ向ける能力が重要となる。この点について、ニューロフィードバック型注意機能訓練システムが有効となるが、その訓練効果に大きな個人差がある。さらに、システムの複雑さ故に、日常的な個人利用は難しい状況にある。これらの問題を解決するため、訓練中における心理的要因が脳におよぼす影響を解明しつつ、個人が「いつでも・どこでも・誰とでも」利用できるようシステムをポータブル化・オンライン化する。
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研究実績の概要 |
本研究では,脳卒中患者における運動機能障害リハビリテーション効果の促進を主たる応用先の一つとして,ヒトの認知機能である注意能力向上を目指すニューロフィードバック型注意機能訓練システムの実用化を目指している.ニューロフィードバック訓練の効果には個人差が大きいことが問題視されているが,この点に関する解決策として,訓練者の心理的要因を定量化する系の実装を進めている.具体的には,心電図による自律神経系状態をモニターすることで,訓練対象である脳(中枢神経系)とのマルチセンシング系を確立した.加えて,より精度の高い訓練者の心理状態推定を実現するため,脳波によるストレス推定や唾液によるアミラーゼ活性などの評価も組み合わせるプロトコルを検証している. ニューロフィードバック訓練によって注意機能が向上したことを確認するためには,何らかの行動パフォーマンスを評価する課題も必要となるが,この点についても上肢による反応時間課題や,下肢における歩行課題に関する評価系の構築が完了しつつある. また,訓練システムそのものの実用化に向けた取り組みも進めている.これまでの訓練システムでは,脳波電極のセットアップを個人で行うのが難しいという大きな問題点が残されていた.この点については,計測する電極数を減らしつつ,訓練者個人でも容易に脳波計測のセットアップが可能なシステムへと改善した.さらに,このような簡易的な脳波計測系においても,注意訓練に必要な脳波(定常状態体性感覚誘発電位ならびに定常状態視覚誘発電位)を検出することが可能であることも確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳(中枢神経系)に加え,訓練者の心理状態を推定するための多角的な評価系が構築されてきており,脳波や心電図など評価すべき生体信号が問題なく計測できることも確認されている.また,訓練システムの実用化に向けた開発項目(ポータブル化・オンライン化)も進められていることから,おおむね順調に研究が進んでいるといえる.
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今後の研究の推進方策 |
ニューロフィードバック訓練システムを完成させ,まずは健常者を対象として5日間程度の注意機能訓練を行っていく.これにより,提案する訓練システムが注意機能向上に有効であることを示していく.さらに,より使いやすいシステムの実現に向け,訓練に必要な脳波の誘発させるための感覚刺激の最適化を進めていく.
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