研究課題/領域番号 |
23K27945
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補助金の研究課題番号 |
23H03255 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
鈴木 誠 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (80554302)
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研究分担者 |
平田 晃正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00335374)
田中 悟志 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10545867)
菅原 和広 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (10571664)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2027年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2026年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | リハビリテーション / 行動学習 / 経頭蓋交流電気刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢や脳疾患に起因する滑らかな運動の障害によって,多様な生活動作が障害される.従来のニューロリハビリテーションに関する研究では,運動野を電気的に刺激して神経の興奮性を高めることによって運動出力をいかに向上するかということに焦点が当てられてきた.しかし,運動の円滑さを向上するためのリハビリテーション法については,いまだ確立されていない.本研究では,個人の脳構造に基づいて小脳を電気刺激する手法を開発し,「小脳に対する電気刺激が小脳と運動野の神経ネットワーク活動を高め,滑らかな運動の学習を促進する」という仮説を検証する.
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研究実績の概要 |
2023年度の研究では,指のリズミック運動を反映する脳活動の信号源を特定することを目的とした.実験に先立って,健常成人の頭部MRI画像を撮像し,T1およびT2強調画像データを取得した.次に,右示指の中手指節関節に設置した電気角度計の角度変化に応じて上下に移動するモニター上のカーソルを,0.5 Hzのメトロノーム音に合わせてスタート位置(中手指節関節伸展0度)からゴール位置(中手指節関節伸展20度)まで移動する課題を100秒間反復するよう研究対象者に教示した.運動課題中は,脳波記録電極を研究対象者の頭部に装着し,左右の乳様突起を基準電極として,サンプリング周波数1000 Hz,バンドパスフィルター0.15 Hzから200 Hz,バンドストップフィルター50 Hzにて脳波を記録した.右小脳に設置した脳波記録電極にて記録された脳波のパワー値を加算平均してevent-related synchronizationを計算したところ,21から23 Hzにおけるevent-related synchronizationが最大になった.そこで,この周波数帯域における信号源を推定したところ,右小脳後葉(後四角小葉)付近に信号源を認めた.2023年度の実験により,指のリズミック運動に応じて右小脳後葉が21から23 Hzで活動することが示唆された.本研究による知見は,経頭蓋交流電気刺激の周波数を決定する際の基盤的データとして使用することができる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度の予定であった指のリズミック運動に応じた小脳の活動を特定することができたものの,交流電気刺激による小脳活動の変化を検証することができなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の研究では,今年度までに行った脳波および運動解析の手法を応用し,健常者の頭部MRI画像およびリズミック運動中の脳波から交流電気刺激の電極位置に応じた電流分布密度をシミュレートし,小脳を効果的に刺激しえる交流電気刺激の電極位置,強度,周波数を対象者毎に特定する.次に,特定された交流電気刺激の最適な電極位置,強度,周波数を用い,小脳を刺激して小脳と運動野における脳波の変化を計測する.小脳と運動野の神経における位相同期活動を解析することによって,交流電気刺激に伴う小脳と運動野の神経ネットワーク活動の変化を明らかにする.研究の遂行に際して,研究代表者の鈴木誠は研究統括と実験遂行,分担者の平田晃正は電流分布密度シミュレーション,田中悟志は電流分布密度シミュレーションと運動介入プログラム構築,菅原和広は脳波データ解析を担当する.また,研究対象者に対しては,本研究開始前に研究の目的,方法,研究に伴う利益と不利益について十分に説明し,さらに,研究対象者が本研究に同意しない場合であっても不利益は受けないこと,同意した場合でも随時それを撤回できること,個人的な情報が外部に漏れないことについて説明した後,自由意思による同意を文書にて得る.
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