研究課題/領域番号 |
23K27984
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補助金の研究課題番号 |
23H03294 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 常葉大学 (2024) 筑波大学 (2023) |
研究代表者 |
坂入 洋右 常葉大学, 教育学部, 教授 (70247568)
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研究分担者 |
中塚 健太郎 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (00609737)
雨宮 怜 筑波大学, 体育系, 助教 (90814749)
松浦 佑希 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (90844788)
稲垣 和希 筑波大学, 体育スポーツ局, 研究員 (80895730)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2025年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2024年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 体育スポーツ科学 / 個人主体 / ボトムアップ / デジタルポートフォリオ / パラダイム / 研究パラダイム |
研究開始時の研究の概要 |
体育スポーツ科学の研究及び実践領域において、専門家の知を統合するのではなく、実践者ごとに知を統合する「個人別知」を中核としたボトムアップ型のパラダイムに基づく、新たな研究の方法論と実践のシステムを構築する。 近年、携帯測定デバイスの急速な普及によって実践者各個人のデータが膨大に蓄積され、個に応じたボトムアップ型の実践と研究が可能になった。本研究では、専門知に基づくトップダウンではなく、各実践者主体のボトムアップ型のスポーツ実践科学と指導のあり方を提案し、新たなスポーツ実践・指導の方法論の有効性を検証した上で、スポーツ指導の実態調査と介入研究を通してその有効性を確認する。
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研究実績の概要 |
本研究期間全体の目的は、「個人別知」を活用する実践者主体のボトムアップ型の体育スポーツ科学と実践および指導のあり方を提案し、新たなスポーツ実践科学の方法論の有効性を実験的に検証した上で、スポーツ指導の実態調査と介入研究を通してその有効性を確認することである。この目的を達成するために初年度において、以下のように研究を推進した。 ① 個別データに基づく実践者主体の科学と実践の方法論の構築:従来の方法である理論や法則(エビデンス)を現実に適用するトップダウン型ではなく、個別の現実データから結果(アウトカム)を予測して改善するボトムアップ型のパラダイムを体育スポーツ領域に応用した研究法と実践・指導法の理論を構築し、学会で講演した。 ② デジタルポートフォリオのシステム開発の準備:実践者各個人が、タブレット端末などを活用して毎日の心理・生理・行動データを記録し、解析結果を確認できるデジタルポートフォリオを開発するため、その内容と方法を検討した。また、予備的研究として個人別の心理・生理状態のデータを収集し解析した。 ③ 運動の新たな実践法の有効性の検討:次年度以降に実施する実践研究に用いる運動の実践法・指導法の有効性を検証した。また、大学生を対象とした研究と中学生を対象とした研究の成果を論文として発表した。 ④ 青少年のスポーツ指導の実態調査の実施:茨城県の中学校における多様な部活動の指導者と生徒1300名を対象に調査を実施した。それぞれの部活動における指導法の特徴と有効性の違いについて、指導者視点の評価と生徒視点の評価に基づく実態を調査した。結果として、指導者の評価と生徒の評価に大きな解離が存在することが明らかになり、個々の生徒を理解することの重要性が確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画通り、新たなボトムアップ型パラダイムに基づく科学と実践の理論と方法論の構築が進み、すでに学会で講演するなど成果の公表が進んでいる。また、次年度以降に実践的研究を遂行するために必要なデジタルポートフォリオの準備と、新たな運動指導法の有効性の確認ができた。さらに、次年度に実施する計画であった、青少年におけるスポーツ実践の大規模な実態調査を実施することができた。これらを総合的に評価して、当初の計画以上に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究期間全体の目的は、「個人別知」を活用する実践者主体のボトムアップ型の体育スポーツ科学と実践および指導のあり方を提案し、新たなスポーツ実践科学の方法論の有効性を実験的に検証した上で、スポーツ指導の実態調査と介入研究を通してその有効性を確認することである。 この目的を達成するために、初年度の成果を踏まえて、次年度も引き続き、実践者主体の新たなボトムアップ型体育スポーツ科学と実践法・指導法の理論の精緻化と学術的及び社会的発信を推進する。また、次年度にデジタルポートフォリオを完成させ、最終年度に実践研究を実施する。また、実践研究で用いる心理・生理・行動データの測定指標の開発とボトムアップ型パラダイムに基づく指導法の有効性の検討を行う。さらに、青少年のスポーツ指導の実態調査を複数の地域で実施する。 研究代表者の所属機関が変わったことから、研究を遂行する本拠地が関東から中部地方に移ることになったが、すでに茨城県の実態調査を初年度に実施済みであり、今後、現在の所属機関の所在地である静岡県を含めて、幅広く調査研究を実施していく。
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