研究課題/領域番号 |
23K27999
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補助金の研究課題番号 |
23H03309 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
宮崎 亮 島根大学, 学術研究院人間科学系, 准教授 (20531908)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
安藤 仁 金沢大学, 医学系, 教授 (50382875)
綾部 誠也 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (80407238)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 日内リズム / 身体活動量 / 時計遺伝子 / 全身持久力 / ミトコンドリア / 体力 / クロノタイプ / サルコペニア予防 / 骨格筋 / アンチエイジング |
研究開始時の研究の概要 |
社会の夜型化に伴い高齢者でも極端な「朝型・夜型」の者が増加しており、体内時計の乱れ、それに伴う健康状態の更なる悪化が懸念される。毎日我々は体内時計をリセットすることで自身の健康を維持しているが、高齢者では若年者に比べ体内時計リセット機能が低下することが示されている。すなわち高齢者における体内時計の乱れは、骨格筋でのミトコンドリア機能低下を介してフレイルを引き起こす可能性がある。そこで本研究では高齢者の体内時計とミトコンドリア機能に着目し、ヒト・動物実験を用い、運動・食事による複合的フレイル予防プログラムを開発し、併せてその機序解明を行う。
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研究実績の概要 |
現代社会の夜型化に伴い、高齢者でも極端な「朝型・夜型」の者が増加しており、体内時計の乱れ、それに伴う健康状態の更なる悪化が懸念されている。毎日我々は体内時計をリセットすることで自身の健康を維持しているが、高齢者では若年者に比べ体内時計リセット機能が低下することが示されている。それらの社会的課題に対し、本研究では高齢者の体内時計とミトコンドリア機能に着目し、ヒト・動物実験により運動・食事による複合的フレイル予防プログラムを開発し、併せてその機序解明を行うことを目標としている。 まず令和5年度は、上記目標達成のため、実験条件の確立、バイオマーカーの選定、予備実験などに取り組んだ。ヒト実験として、高齢者コホート(島根県隠岐の島町)における過去5年間の縦断データ(フレイル、起床就寝時刻、クロノタイプ、血液検査、身体機能など)蓄積およびデータベース構築、ミトコンドリア機能の新規バイオマーカー探索と予備実験を行った。ミトコンドリア機能に関するバイオマーカー選定では、フレイルや体力と関係するマーカーも見出した。動物実験では、体内時計およびミトコンドリア機能と骨格筋フレイルとの機序解明に必要な実験系の確立に取り組み、原著論文を公開した。イメグリミン(メトホルミンに構造的に関連する新規抗糖尿病薬)投与の時間変化を調査したものである。その結果、イメグリミンはマウス胎児線維芽細胞の概日振動子に影響を与えることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、おおむね予定していた通りに研究を進めることができた。まずヒト実験では、高齢者コホートにおける縦断調査として、研究開始(2018年)からの2023年までの5年間における、フレイル状態の変化およびクロノタイプなどの調査を継続している。令和5年度は、それらデータ取得、そして縦断データベース構築を進めた。今後はこれらデータを分析し、成果を公開する予定である。 さらに別の高齢者フィールドでは、令和7年度以降に予定している介入研究の条件検討を行った。ミトコンドリア機能亢進に有用な運動・食事の種類や、それらの適切な組み合わせがいまだ明確であるため、地域高齢者を対象に、牛乳・乳製品を用いた実行可能性試験を行った。この実験で得られた成果と課題を共同研究者間で詳細に検討し、今後の効果的な介入手法を確立させる予定である。さらに、ミトコンドリア機能の新規マーカー探索を行った。その結果、複数のミトコンドリア機能マーカーがフレイルや体力に関係することを見出した。 一方、動物実験では、体内時計およびミトコンドリア機能と骨格筋フレイルとの機序解明に必要な実験系の確立に取り組んだ。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度はおおむね予定通りに研究を進めることができた。フレイル縦断データ蓄積、ミトコンドリア機能マーカーの探索などである。令和6年度は、それらのデータを分析し、成果を公開する予定である。さらに、見出したミトコンドリア機能マーカーの精査を進めることも予定している。ミトコンドリア機能亢進に有用な運動・食事の種類や、それらの適切な組み合わせがいまだ明確であるため、今後の効果的な介入手法を確立させる予定である。動物実験では、引き続き、実験条件の整備として、食事・運動時間を制御した実験を予定している。
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