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リボフラビン代謝物による脂肪細胞可塑性の制御とその健康寿命における役割の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K28002
補助金の研究課題番号 23H03312 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関熊本大学

研究代表者

日野 信次朗  熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (00448523)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
キーワードリボフラビン / エピゲノム / 脂肪細胞 / ビタミン / クロマチン / 遺伝子発現 / 脂肪組織
研究開始時の研究の概要

様々な栄養素がDNAメチル化やヒストン修飾等のエピゲノムの形成を介して遺伝子発現制御に関わる。必須栄養素であるリボフラビン(Rf、ビタミンB2)は多様な細胞機能に関わるが、摂取量の多寡が長期的な体質(表現型)形成や疾患リスクに及ぼす影響はわかっていない。本研究では、Rfがエピゲノム形成を介して脂肪組織可塑性や代謝恒常性に寄与する仕組みを解明し、その健康寿命における役割を検証する。本研究では、多層オミクス解析による新規メカニズム解明と、遺伝子改変マウスを用いたRfの生理作用の解明を目指す。本研究により、Rfの栄養素としての役割を再定義し、健康増進への活用の道を拓く。

研究実績の概要

様々な栄養素がDNAメチル化やヒストン修飾等のエピゲノムの形成を介して遺伝子発現制御に関わる。必須栄養素であるリボフラビン(Rf、ビタミンB2)は多様な細胞機能に関わるが、摂取量の多寡が長期的な体質(表現型)形成や疾患リスクに及ぼす影響はわかっていない。また、Rfは多様な細胞内経路を介してエピゲノム形成に関わる可能性がある。そこで、Rf依存性転写・エピゲノム制御に焦点を当て、その分子機序と代謝恒常性における役割を明らかにすることを目的として研究を進めている。本課題は、代表者らが独自に作製した組織特異的Rf代謝不全マウスを用いた多層オミクス解析や、培養細胞を用いた分子機能解析を基盤として進めている。本年度の研究では、ATAC-seq法によりRf依存性クロマチン構造変化の全体像を明らかにし、Rfシグナルの下流で働きうる転写制御因子の候補をリストアップすることができた。また、脂肪細胞で高発現しその機能制御に関わるRf依存性タンパク質(フラボタンパク質)を同定することが出来た。これらの成果から、Rfによる脂肪細胞分化制御、さらにはRf利用性と脂肪貯蔵、消費、熱産生といった細胞機能との関わりを明らかにすることが出来た。次年度以降は、Rf依存性タンパク質や代謝物の分子機能の詳細解明を目指す。本研究は、個々の栄養素がどのようにしてその生理活性を発揮するかを明らかにするものであり、今後様々な栄養素や機能性食品成分の研究への応用基盤を生み出す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

脂肪細胞機能制御に関わるフラボタンパク質を同定することが出来、Rf依存性クロマチン構造形成の全体像を掴むことが出来た。いずれも2023年度に計画していた内容であるため、進捗は順調と言える。

今後の研究の推進方策

上記の進捗状況を踏まえて、今後はフラボタンパク質やその代謝産物の機能解析、Rf依存性クロマチン構造制御に関わる核内因子の機能解析を行う。
【フラボタンパク質による脂肪細胞制御機序の解明】 前年度の研究で、脂肪組織において高発現するRf依存性タンパク質(フラボタンパク質、FP-A)を同定し、その下流で生成される代謝物が脂肪細胞制御に関わることを見出した。そこで本年度以降の研究では、FP-Aの生理機能の詳細を明らかにする目的で遺伝子欠損マウスを作製し、表現型解析や遺伝子発現・エピゲノム解析を実施する。また、FP-A依存的に生成される代謝物による脂肪細胞制御に介在する分子を同定する目的で、網羅的プロテオーム・エピゲノム解析を実施する他、機能スクリーニング系を構築する。
【Rf依存性エピゲノム制御機構の解明】 前年度にRf代謝不全マウス組織を用いてATAC-seq解析を行い、Rf依存的なクロマチン構造制御を受けるゲノム領域を同定し、その制御分子の候補を見出した。本年度以降は、これら分子の機能解析を実施して新規のRf依存性エピゲノム制御機構を明らかにする。一方で、脂肪組織内には多様な細胞種が存在するため、Rf依存性分子メカニズムを正確に理解するためには、Rf代謝不全を来した細胞種のみを解析する必要がある。そこで、一細胞解析や細胞種毎に分画した網羅的クロマチン・エピゲノム解析を実施する。
【Rf及びRf依存性代謝物による健康増進の可能性】 Rf及びRf代謝の下流で生成される代謝物が、成長促進や加齢・代謝疾患の予防・治療に応用できるか検証する。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] ケルン大学(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] YAP/BRD4‐controlled ROR1 promotes tumor‐initiating cells and hyperproliferation in pancreatic cancer2023

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki Masaya、Hino Shinjiro、Usuki Shingo、Miyazaki Yoshihiro、Oda Tatsuya、Nakao Mitsuyoshi、Ito Takaaki、Yamagata Kazuya
    • 雑誌名

      The EMBO Journal

      巻: 42 号: 14

    • DOI

      10.15252/embj.2022112614

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ミトコンドリアから細胞核への逆行性シグナルによるエンハンサーリモデリング2023

    • 著者名/発表者名
      日野裕子、日野信次朗、中尾光善
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 286 ページ: 171-172

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] フラビン依存性エピゲノム形成因子による細胞制御2024

    • 著者名/発表者名
      日野信次朗
    • 学会等名
      北海道大学遺伝子病制御研究センターセミナー
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] フラビン依存性ヒストン脱メチル化酵素による環境適応の制御2023

    • 著者名/発表者名
      日野信次朗
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会(シンポジウム:細胞内ケミカルネットワークの解明と創出)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ヒストン脱メチル化酵素LSD1による骨格筋環境応答の調節2023

    • 著者名/発表者名
      日野信次朗
    • 学会等名
      日本体力医学会特別大会(シンポジウム:運動応答臓器におけるエピジェネティクス制御の最前線)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [備考] 熊本大学発生医学研究所HP

    • URL

      https://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] 熊大通信

    • URL

      https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/kouhoushi/kumatu/vol-90

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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