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組織特異的な栄養代謝の変化がエピゲノム修飾と生活習慣病発症に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K28018
補助金の研究課題番号 23H03328 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関徳島大学

研究代表者

上番増 喬  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (10581829)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
キーワードケトン体 / 代謝 / 栄養 / 生活習慣病 / 周産期
研究開始時の研究の概要

胎生期の栄養環境が、成人期以降の疾病発症に影響を及ぼす機構が注目されている。すなわち、胎生期に低栄養状態に曝されることにより何らかのエピゲノム変化を生じ(1st hit )、加えて出生後にマイナスの環境要因が負荷されることで(2nd hit)、後天的に生活習慣病の発症リスクを増大させる2段階仮説が広く支持されている。
本研究では、低栄養状態で産生が増加するケトン体に着目し、ケトン体代謝変動が生活習慣病発症に及ぼす影響について検討する。

研究実績の概要

胎生期の低栄養への曝露により生活習慣病の素因が形成されるという「生活習慣病胎児期発症説」が注目されている。その作用機構として、エピゲノム修飾が注目されているものの、その分子基盤は不明である。本研究では、低栄養状態で増加するケトン体が、組織特異的に合成・利用・代謝・輸送されることで作り出される<組織特異的なケトン体代謝(Ketone body flux)>に着目する。Ketone body fluxの変化によって引き起こされるエピゲノム修飾と仔の代謝異常発症機構を解析することで、エピゲノム修飾が影響を受けやすいタイミング、エピゲノム修飾の標的となる遺伝子、およびエピゲノム修飾異常を引き起こす栄養不良の閾値を明らかにすることを目的とする。
研究を推進するために、3系統のケトン体代謝関連遺伝子変異マウスを導入し、さらに1系統は今後導入予定である。組織特異的遺伝子欠損モデルを作成するための組織特異的Creリコンビナーゼ発現系統を6系統導入した。これにより今後、組織特異的なケトン体代謝の変化の影響を検討することができる。
ケトン体代謝を変化させるモデルとしてケトジェニック食摂取モデルを作成した。興味深いことに、ケトジェニック食には糖質源がほとんど含まれていないにもかかわらず、マウスの血糖値は、対照群と有意な差を示さなかった。そのため本モデルを使用することで、低血糖を伴わないケトン体代謝の変化の影響を検討することが可能となった。
周産期にケトジェニック食を摂取した母親マウスから生まれた仔マウスに高脂肪食を摂取させることで代謝異常を呈することを見出した。本実験を3度繰り返し、同様の結果が得られたため、今後は時期特異的、組織特異的な影響を遺伝子変異マウスと組み合わせて検討していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

周産期の栄養状態が子に及ぼす影響を解析するためのモデルとしてケトン体代謝に注目した。ケトン体体代謝の流れに異常をきたすモデルとして、ケトン体代謝酵素beta hydroxy butyrate dehydrogenase 1(BDH1)とBDH2およびケトン体輸送に関わるトランスポーターであるmonocarboxyrate transporter 7(MCT7)の遺伝子改変マウスの準備が完了した。一方、導入予定であったケトン体合成律速酵素HMG-CoA Synthase 2(HMGCS2)の遺伝子改変マウスは共同研究先の都合でまだ導入できていないものの、2024年5月をめどに導入を予定している。
ケトン体代謝を変化させる介入としてケトジェニック食を用いて、周産期のマウスに投与し、仔への影響を検討した。一連の実験を3度行い、共通して現れる影響を確認した。今後は、この共通して認めららる影響に関与する因子について検討する予定である。
総合して、研究はおおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

ケトン体代謝をきたす遺伝子変異モデルマウスとしてHMG-CoA Synthase 2(HMGCS2)floxマウスを導入する。
現在までに得られた周産期のケトジェニック食摂取が仔の代謝に及ぼす影響について、介入時期を妊娠前、妊娠中、授乳中に分け時期特異的な影響を検討する。これと組み合わせて、妊娠期の影響を母親マウス、胎盤、胎児のそれぞれの組織特異的な影響に分け、組織特異的なケトン体代謝関連遺伝子欠損株と組み合わせることでケトン体代謝の組織特異的な影響を明らかにする。
現在までに、周産期にケトジェニック食を摂取した母親マウスから生まれた仔マウスに高脂肪食を摂取させることで代謝異常を呈することを見出した。この実験は3度の同様な実験で再現され、標的臓器を絞り込むことができた。今後は標的臓器の遺伝子発現をRNA-sequence解析により網羅的に解析し、標的遺伝子とその制御機構を解析する。特に、エピジェネティック修飾による調節に着目し、ヒストン修飾部位やDNAメチル化部位との関連を検討することで、ケトン体代謝の変化が標的特異性をどのように決定しているのかについて検討する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] SLC16a6, mTORC1, and Autophagy Regulate Ketone Body Excretion in the Intestinal Cells2023

    • 著者名/発表者名
      Uebanso Takashi、Fukui Moeka、Naito Chisato、Shimohata Takaaki、Mawatari Kazuaki、Takahashi Akira
    • 雑誌名

      Biology

      巻: 12 号: 12 ページ: 1467-1467

    • DOI

      10.3390/biology12121467

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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