研究課題/領域番号 |
23K28027
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補助金の研究課題番号 |
23H03337 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
新井 康通 慶應義塾大学, 看護医療学部(信濃町), 教授 (20255467)
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研究分担者 |
小熊 祐子 慶應義塾大学, スポーツ医学研究センター(日吉), 准教授 (00255449)
漆原 尚巳 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (10511917)
朝倉 敬子 東邦大学, 医学部, 教授 (40306709)
西尾 健介 日本大学, 歯学部, 助教 (50780558)
佐々木 貴史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70306843)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | 統合栄養学 / 健康長寿 / ニュートリゲノミクス / 老化遅延 / 超高齢者 / ニュートリジェネティックス / バイオマーカー / ニュートリジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
急速に進展する世界的な高齢化を背景として認知症、フレイルなどの加齢関連疾患が急増している。本研究では、日常生活に介護の必要のない85歳以上の高齢者コホートの縦断調査を実施し、①身体的・認知的・心理社会的多様性と習慣的な栄養摂取を包括的に評価する統合栄養学と、②個人の遺伝的背景の違いによる栄養効果を予測するニュートリジェネティクスの手法を取り入れ、③要介護や加齢関連疾患の発症アウトカムに加え遺伝子・分子レベルの老化指標(バイオマーカー)を中間形質とした多変量解析を行うことにより、老化を遅延し健康寿命の延伸に資する個人に最適化した栄養介入プログラムの開発基盤となるデータベースを構築する。
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研究実績の概要 |
本研究課題のデータ基盤である「川崎市における高齢者の健康と暮らし方に関する学術調査(Kawasaki Aging and Wellbeing Project, KAWP)」の基礎調査に参加された1026名のうち、2023年度は139名の会場招へい型の追跡調査を実施し、同年12月末までに合計406名の4年後追跡調査を完了した。このうち、91名の方が頭部MRI検査を受け、90歳代としては世界最大級の頭部MRIデータセット(253例)が確立された。このデータをもとに、現在、VSRAD解析、Diffusion tensor tractography DTT)解析、Region- or label-based morphometry (RBM)、Voxel-based morphometry(VBM)など精緻な解析を進め、超高齢期においても認知機能が正常に保たれているsuccessful brain agingと食習慣との関連を解析中である。バイオマーカー解析としては、空腹時採血を行った190名の血清サンプルの詳細なアミノ酸解析をを来ない、サルコペニアとの時間横断的関連を論文報告した。また、糖尿病、肥満に関連し、百寿者研究から健康長寿にも関連する血漿高分子アディポネクチン濃度と、それに影響する遺伝多型を検証し、論文報告した。 また、本人の同意に基づき、基礎調査から3年分の医科・介護レセプトデータを取得し、1)新規要介護申請、2)総死亡、3)医療費・介護費をアウトカムとして、食習慣(新井)、多疾患併存(安藤)、ゲノム解析(佐々木)、脳画像(色本)、地域参加・社会ネットワークとの関連を前向きに検証し、健康寿命の延伸を可能にする行動変容・社会参加プログラムの策定のデータ基盤が確立された。この統合データベースを活用して、食事摂取タンパク量が多いほど寿命が長いことを論文報告した。以上の成果から、2023年度はデータ取得、解析、成果報告において当初の計画通りの進捗と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年12月末までに当初の計画通り、元気高齢者コホートの追跡調査が完了したため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度の追跡調査および基礎調査で収集した血液、尿サンプルの解析を本格化し、遺伝子・分子レベルの老化指標(バイオマーカー)を中間形質とした多変量解析を行うことにより、老化を遅延し健康寿命の延伸に資する個人に最適化した栄養介入プログラムの開発基盤となるデータベースを構築する。
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