研究課題/領域番号 |
23K28033
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補助金の研究課題番号 |
23H03343 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
吉村 英一 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部, 室長 (70613214)
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研究分担者 |
鈴木 一平 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 食品保健機能研究部, 主任研究員 (00812439)
安藤 貴史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (40710976)
高田 和子 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80202951)
畑本 陽一 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部, 主任研究員 (90738832)
田尻 絵里 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教 (10961948)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 消化・吸収率 / エネルギー排泄 / 過食 / エネルギー代謝 / 腸内細菌叢 / 食事制限 / エネルギー収支バランス / 基質酸化 / 消化吸収率 |
研究開始時の研究の概要 |
糞便と尿を介するエネルギー排泄(消化・吸収率)の理解は、体重調節や健康増進の的確な支援に繋がる。本課題の目的は、①ヒトの消化・吸収率の個人間差異、②過栄養における消化・吸収率の恒常性破綻、③腸内細菌叢に着目した消化・吸収率の決定要因を明らかにし、その生理的意義を解明することである。 研究①②の方法は、健常成人を対象に8日間の無作為化クロスオーバー試験を実施する。実験条件は体重維持食、過食、減食の3条件とする。規定食、糞便、尿の物理的エネルギー量はボンベ型カロリメーターを用いて評価し、摂取量と排泄量からエネルギー排泄量(消化・吸収率)を評価する。研究③は研究①②の取得データから解析する
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研究実績の概要 |
【目的】過食や食事制限といった摂取する食事量の短期的な変化が腸内細菌叢の分布や糞便からのエネルギー排泄に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした. 【方法】健常な若年男性10名(BMI 20.8±2.3 kg/m2)を対象に過食(OF,推定エネルギー必要量(eEE) 150%),通常食(CON,eEE 100%),制限食(CR,eEE 75%)による3条件の無作為化クロスオーバー試験を実施した(UMIN000047018).規定食は栄養成分表示の記載がある食品から選択し,条件間でたんぱく質,脂質,炭水化物の摂取比率に差がないように調整した.1条件の介入期間は宿泊を伴う実験室条件4日間を含む連続した8日間とし,介入期間中は規定食を提供した.糞便を標識するために対象者は実験室条件の1日目の食事前に食用色素を混合した水を摂取し,その後標識された糞便を全て採取した.糞便のエネルギー排泄はボンベカロリメーターを用いて評価し,排泄率は糞便からのエネルギー排泄量/規定食のエネルギー量×100で評価した.腸内細菌叢は標識便を一部採取後,16S rRNA Amplicon Sequencingを用いて評価した.条件間の比較は一般線形混合モデル,多重比較はBonferroniの修正法を用いて評価した. 【結果及び考察】腸内細菌叢のα多様性(Shannon index)は条件間で有意な差が確認された(p<.05).属レベル(Bifidobacterium,Bacteroides,Lachnoclostridium,Subdoligranulum,Fusobacterium)の腸内細菌叢もまた条件間で有意な差が示された(p<.05).糞便からのエネルギー排泄率は条件間に差がなかったが,排泄量(kcal)はすべての条件間で有意差が認められ,過食条件でエネルギー排泄量が多かった(p<.05).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験を遂行し、論文掲載まで到達したため
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今後の研究の推進方策 |
データ数を増やし、性差および体格差の検討を行う準備を進める。さらに生体試料(血清サンプルと糞便サンプル)を用いたメタボローム解析を実施し、消化・吸収率、腸内細菌叢との関連について、検証を行っていく予定である。
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