研究課題/領域番号 |
23K28035
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補助金の研究課題番号 |
23H03345 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
小区分60020:数理情報学関連
合同審査対象区分:小区分60010:情報学基礎論関連、小区分60020:数理情報学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渋谷 哲朗 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60396893)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2027年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 差分プライバシー / 情報量理論 / アルゴリズム / ビッグデータ / 個人情報保護 / グラフ理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、情報量理論的な側面から近年脚光を浴びている差分プライバシー技術のビッグデータ適用性を情報量最適な差分プライバシー技術を実現することにより向上させることである。具体的には、以下の4つの課題の究明に取り組む。 1)データ圧縮加工による差分プライバシー技術の高効率化 2)不可逆圧縮誤差活用による差分プライバシーの高精度化 3)差分プライバシー情報量理論の構築 4)これらの新技術の実応用への展開
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、情報量最適な差分プライバシー技術を実現することにより差分プライバシーのビッグデータ適用性を向上させることであり、特に初年度は、データ圧縮加工による差分プライバシー技術の高効率化と不可逆圧縮誤差活用による差分プライバシー技術の高精度化に取り組んだ。 高効率化の面では、差分プライバシー加工前のデータが圧縮可能である場合に、元データではなく圧縮したデータに対して差分プライバシー加工を行うことで、差分プライバシー加工のノイズも小さくすることができる可能性があり、情報の様々な面からの圧縮可能性について研究を進めた。特にネットワークデータに対する研究で、大規模グラフでのランダムリスポンスに基づく差分プライベートな公開の通信量を削減し、精度を上げることに成功した。 また、高精度化の面でも、様々な対象の性質に着目し、新たなランダムリスポンスに基づく高精度なゲノム統計量の差分プライベートな公開技術の開発にも成功した。また、データセット中の情報の性質の違いに着目するsmooth sensitivityを活用した新たなゲノム統計量の高精度公開技術の開発も行った。また、重要遺伝子公開などでのトップk情報公開においても、新たな高精度公開技術を開発することに成功した。その他、グラフデータの特徴量公開に関連して、対象データの性質に関する研究をさらに進め、グラフ・ネットワークの特徴量計算に関する理論的な解析を行い、それらの計算量理論解析などに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
差分プライバシーの高効率化・高精度化に関して4報の論文の成果を上げ、さらに関連した成果を8報あげることができて、十二分の成果を上げることに成功している。計画上次年度以降に行う予定であった、技術の実応用への展開も、すでに成果があがっており、今後は、さらにより大きな理論構築、より広い実応用への展開を考えながら研究を進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、情報量理論的な側面から近年脚光を浴びている差分プライバシー技術のビッグデータ適用性を情報量最適な差分プライバシー技術を実現することにより向上させることであり、データ圧縮加工による差分プライバシー技術の高効率化、 不可逆圧縮誤差活用による差分プライバシーの高精度化、差分プライバシー情報量理論の構築、これらの新技術の実応用への展開をおこなっていく。初年度は、これらのうち、技術の高効率化と高精度化に関して力を入れて研究を行ったが、本年度からは、一般的な情報量理論と差分プライバシー理論のかかわりについてより深く理論的考察を行い、また、社会にインパクトを与えるようなより大きな実応用への展開等に力をいれていく予定である。
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