研究課題/領域番号 |
23K28044
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補助金の研究課題番号 |
23H03354 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
小区分61030:知能情報学関連
合同審査対象区分:小区分60030:統計科学関連、小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 朋広 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (90210707)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2025年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2024年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 漸近理論 / 確率解析 / 非エルゴード統計 / 漸近展開 / マリアバン解析 / 非整数ブラ ウン運動 / 高頻度データ |
研究開始時の研究の概要 |
これまで,マルチンゲールの分布論的漸近展開,連続時間のミキシングマルコフ過程の汎関数に対する漸近展開, 非エルゴード的統計における 混合型極限を持つマルチンゲールに対する漸近展開の理論を与えたが, 漸近展開の誤差は分布の滑らかさに関係し,Malliavin解析(無限次元 確率解析)が重要な役割を演じる. さらに,Wiener汎関数の漸近展開およびSkorohod積分の漸近展開においては, Malliavin解析の作用素によ って漸近展開公式が表現される. 本研究はこの方法を発展させ,確率過程の統計学および統計計算の基礎となる, 極限定理・漸近展開の理論を 築くことを目指している.
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研究実績の概要 |
確率分布および期待値の近似は統計理論を支える基礎であり,確率過程に対しては今日なお理論の原理に関わる本質的な問題が数多く存在する.本研究において,非エルゴード統計でのSkorohod積分やエルゴード統計でのWiener汎関数に対する漸近展開理論の研究を進めた.Skorohod積分の非エルゴード的漸近展開法によって,非整数ブラウン運動で駆動される確率微分方程式の解に対する2次変動の分布の漸近展開を導出するために,汎関数のソボレフノルムの評価が重要である.汎関数の形を重み付きグラフによって表現することで,グラフの情報で定義される指数の概念によってノルム評価を導き,統計量の漸近展開の研究を行なった.また,一般のウイナー汎関数に対して,そのガンマファクターの期待値の展開があれば,汎関数の分布の任意次のエルゴード的漸近展開が得られる一般展開定理を与え,確率偏微分方程式の空間に関する2次変動の漸近展開に応用した.さらに,非整数ブラウン運動のハースト係数の推定量の分布の漸近展開に関する結果を発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非整数ブラウン運動の汎関数のソボレフノルム評価法と応用が進み,また,エルゴード的状況におけるウイナー汎関数の分布の一般展開定理とその応用が得られ,論文出版に至った.
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今後の研究の推進方策 |
ウイナー汎関数に対する一般展開定理の,非整数ブラウン運動で駆動されるエルゴード過程への応用を行う.また,非整数ブラウン運動で駆動される確率微分方程式の変動に関する漸近展開を研究する.
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