研究課題/領域番号 |
23K28069
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補助金の研究課題番号 |
23H03379 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 埼玉大学 (2024) 長岡技術科学大学 (2023) |
研究代表者 |
渡部 康平 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10734733)
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研究分担者 |
津川 翔 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40632732)
野中 尋史 愛知工業大学, 経営学部, 准教授 (70544724)
眞田 亜紀子 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (20631138)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2026年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | ネットワーク / 異常検出 / グラフ / 機械学習 / データ生成 |
研究開始時の研究の概要 |
通信ネットワークにおいて,機械学習を活用 した異常検出や予測は強力なツールだが,学習的な枠組みは過去のデータに基づき検出・予測するという性質上,過去のデータの範囲を逸脱する「想定外」の事象を検出・予測する能力はない.本研究課題では,特定の特徴量を指定してデータを生成する技術を核に,過去のデータの範囲の外側,つまり「想定外」の領域に位置するフェイクデータを生成してデータセットを拡張する技術を開発する.加えて,通信ネットワークの各種データに関する拡張データセットを用いて,学習的な枠組みであるにも関 わらず,過去のデータの範囲を逸脱する結果をも回答可能な新たな異常検出・予測システムを構築する.
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研究実績の概要 |
本研究課題では,研究代表者らが開発してきた,特定の特徴量を指定してデータを生成する技術を核に,過去のデータの範囲の外側,つまり「想定外」の領域に位置するフェイクデータを生成してデータセットを拡張する技術の開発を目的にしている.過去のデータに基づく従来の機械学習手法では対応が難しい「想定外」の事象を検出・予測するための新たなシステムを構築を目指している。1年目である2023年度は,当初の計画通り,特徴量を指定してデータを生成する技術の高精度化を進めるとともに,データセットの拡張技術に関する検討を進めた.生成データの品質を推定してフィードバックを加える機構の導入やグラフデータをシーケンスに変換する際にランダム性を加える方法,シーケンスをグラフ空間に埋め込む方法の高度化,シーケンス生成モデルの高度化などにより,グラフ生成の高精度化が実現した.加えて,生成データを元にした再学習を実施する技術により,データがほとんど存在しない領域の生成精度が格段に向上することを確認した.さらにオリジナルの学習データに全く存在しない領域のデータを生成する技術にも取り組み,目処が立ってきている. 上記の通り順調に検討が進んだ結果,多くの対外発表を行うことができた.具体的には,査読付きジャーナル論文1件,査読付き国際会議7件,国内会議4件が成果となっている.査読付きジャーナル論文はIEEEのTransaction(IF 2022: 6.6),国際会議発表のうち1件はトップカンファレンスでの発表であり,際立った成果が上がっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に取り組む予定だった研究項目1データセットの拡張技術の開発について,順調に検討が進められており,実際にグラフのデータセットを拡張する方法に目処がついた.生成技術の高精度化が進んだことで,効率的に指定した特徴を持つデータを生成可能となり,データセットの拡張技術の実現に大きく寄与した.再帰的に生成学習を繰り返すことで実際にデータセットを拡張可能であることを示すことができており,十分な進展があったと考えている. 概要でも述べた通り,査読付きジャーナル論文1件,査読付き国際会議7件,国内会議4件の発表を実施しており,当初想定された成果を大きく上回る成果が上がっている.現状で既発表の成果は,主に高精度化に関連する成果が主であるが,データセット拡張に関する成果も既にアクセプトされている.また,国際会議論文の内容を発展させて,次年度には多くのジャーナル論文も出版されることが期待される.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,研究項目1のデータセットの拡張技術の開発に主に取り組んできたが,2024年度以降は当初計画通り,グラフのデータセットの拡張技術をトラヒックに関するデータセットの拡張技術に応用する研究項目2 トラヒックの拡張データセットの構築に着手する.加えて,グラフのデータセットについてもデータの均質性を評価する基盤を構築し,研究項目3の均質なグラフデータセットの構築にも同時に着手する.均質なグラフデータセットの構築は,[研究項目 4] 想定外の事象を検出可能な異常検出技術の開発,及び,[研究項目 5] 想定外の事象も回答可能な予測技術の開発 に進むにあたり重要な研究項目である.均質なデータセットを作成することによりグラフの空間から均質なサンプリングが可能となり,多種多様なグラフを生成可能になる.結果として様々なアプリケーションに対応可能で柔軟なグラフ生成アルゴリズムを構築可能となる.
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