研究課題/領域番号 |
23K28072
|
補助金の研究課題番号 |
23H03382 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 丈博 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (40793279)
|
研究分担者 |
大木 英司 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70524156)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 情報通信ネットワーク / 資源割り当て / 再構成コスト / ネットワーク制御 / 数理最適化 / 数理計画ソルバ |
研究開始時の研究の概要 |
情報通信ネットワークでは、通信事業者が利用者に対して、通信を行うために必要な伝送容量や計算機資源等のネットワーク資源を割り当てる。ネットワーク資源割り当ての計算過程で発見される実行可能解を用いることで、最終的な解が得られる前に資源割り当てを段階的に改善することが可能である。本研究では、計算過程で発見される実行可能解を用いて、再構成コストに基づいて資源割り当ての制御を行う方式を確立する。具体的には、少ない再構成コストで資源割り当ての性能を改善するような解を探索し、発見された解の中から再構成に使用するものを選択する手法を開発する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、情報通信ネットワークの資源割り当てにおいて、計算過程で発見される実行可能解を使用し、再構成コストに基づいて資源割り当ての制御を行う方式の確立である。2023年度は、既存の数理最適化ソルバを利用した場合の資源割り当て制御について検討を行った。 検討の対象として、Software-defined networking (SDN)技術を用いたネットワークにおける最適経路設計問題を取り上げた。この問題を既存の数理最適化ソルバであるCPLEXを利用して解きながら、その途中で得られる実行可能解を一定時間ごとに抽出し、それを元に経路を更新するフレームワークを構築した。経路の更新によりネットワークの資源利用効率が改善されるが、その一方で、経路上を流れるパケットフローを一時的に停止する必要がある。今回の検討では、SDNコントローラからSDNスイッチへと送信する経路変更命令の個数、すなわち再構成に関わるリンクの数を再構成オーバーヘッドとして定義した。資源利用効率の改善効果と再構成オーバーヘッドの比を求め、その値が既定の閾値よりも大きければ経路更新を行うという制御ポリシーを開発した。 実在するバックボーンネットワークのモデルをパラメータに用いて、計算機シミュレーションを行った。ベンチマーク手法として、常に最短経路を用いる経路設計手法および最適解のみを用いる経路設計手法を開発し、それらと提案手法を比較した。その結果、再構成コストを一定値に抑えながら、資源利用効率を改善可能であることを確認した。また、パラメータを様々に変更してシミュレーションを行い、提案するネットワーク制御手法による資源利用効率の改善効果が大きくなるシナリオを見出した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究実施計画に沿って、資源割り当て制御方式の検討、資源割り当て制御システムの開発、資源割り当て更新に使用する実行可能解の選択ポリシーの策定、計算機シミュレーションによる効果の検証を行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究成果を元に、利用者の通信要求が変動する環境下における制御方式を検討する。通信要求がダイナミックに変動すると、その都度、最適なネットワーク資源割り当てが変わる可能性がある。実行可能解の選択ポリシーの改良により、このような環境下でも、資源割り当てを継続的に改善できるような制御方式を確立する。また、使用するソルバそのものについても、最適解を効率よく探索しながら、少ない再構成コストで目的関数値を改善する実行可能解を効果的に発見できる手法を検討する。
|