研究課題/領域番号 |
23K28078
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補助金の研究課題番号 |
23H03388 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
毛利 公一 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (90313296)
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研究分担者 |
野口 拓 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (00388133)
山本 寛 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (80451201)
穐山 空道 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (80775289)
上山 憲昭 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (90710294)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | IoT / ディペンダブル / 異常検知 / レジリエンス / ブロックチェーン / 高信頼性 / 分散システム / AI / 水平同期 / 垂直同期 |
研究開始時の研究の概要 |
実世界での人々の活動を観測した結果を基に、その効率化のために実世界の変容を促すIoTシステムでは、ブロックチェーン等を活用して一連の過程が正しく実施されたことを保証する技術が注目されている。しかし、IoTシステムから実世界に配備されたデバイス/ネットワークへの攻撃や異常の検知は困難であり、実世界の状態の誤解により深刻な被害が発生する危険性がある。本研究は「共通する地域を対象とした複数のIoTシステムは、同じ実世界の変容を同時に観測する」という仮説に基づき、複数のIoTシステムと実世界との同期性を解析し、高度なIoTセキュリティを実現するIoTシステム連携制御基盤の実現を目的とするものである。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、課題を1から3に分割して進め、最後に課題4としてそれらの融合を計画している。現段階では、課題1から3における研究実績の概要を記す。 課題1(AIを利用したブロックチェーン解析技術)では、IoTシステムにより生成されたデータをブロックチェーン上で管理し、それを機械学習モデルにより解析する機能を備えたプラットフォームを構築し、具体的なアプリケーション(業務管理、メタバースなど)を対象とした試作を進めている。 課題2(IoTシステムの水平同期性に基づく異常検知技術)では、ネットワーク層妨害攻撃検知・防御技術の提案をした。具体的には、正常時に収集したIoTネットワークの制御情報に基づいて攻撃検知を行うとともに、多数決アルゴリズムにより異常な制御情報を特定することで攻撃者の特定も可能となる。また、分散IoT環境での水平同期性を担保するため、あるプログラムをIoT機器向けに低リソースで実行できるように改変した際に発生する誤差の確率分布を、入力データの分布から計算する手法を提案した。本手法を応用し、各IoT機器で発生しうる誤差と実際の誤差を比較することで、各機器が水平同期性を保てているかを定量的に議論可能になると考えられる。 課題3(IoTシステムの垂直同期性正常化技術)では、垂直同期性が保たれていることを示すための技術開発を視野に入れ、まずは個別のIoTシステム同士のデータを比較可能にし、それらのデータをGCNNで解析し水平同期が保たれているかを検証することで異常検知を行うアーキテクチャを検討した。また異常検知を行う対象となるIoTシステムの応用事例として共創型都市デジタルツインを想定したときの、ビジネスモデルの市場モデルを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題1では、ブロックチェーンとAIが連携する基盤の設計・試作を行っており、順調に研究成果を得ている。課題2でも、当初の予定通り、IoTシステムの水平同期性に基づく異常検知技術としてネットワークの異常検知技術の提案を行い、その有効性を明らかにできた。課題3も、基礎的な検討が進み国内学会で3件の発表するに至っている。
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今後の研究の推進方策 |
1年目の研究によって、当初予定した3つの課題に分けてのアプローチが概ね適切だということが確認できた。若干、課題3については、垂直同期に関する部分に直接切り込めてはいない部分もあるが、その土台を構築することはできたと判断している。2年目については、垂直同期に関する技術開発の成果が見えやすくなるよう、意識を高めて研究開発をしていくこととしたい。例えば、IoTシステムの垂直同期性正常化技術としてのロバストなIoTネットワーク再構成法を検討し、具体的な成果に結びつけていきたい。
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