研究課題
基盤研究(B)
無限領域で定義された波動散乱問題は、振動、音、光などの伝播を記述する数理モデルであり、広い分野における古くからの研究対象である。現在ではその数値解法と関連する最適設計法は成熟し、これらを利用したものづくりが行われている。一方で、解の高階周波数微分はこれまでほとんど注目されておらず、対象の周波数応答を高速に掃引する目的の研究が散発的に行われたにすぎない。本研究では、散乱問題の解の高階周波数微分に関する理論的な研究を行うとともに、その高精度かつ高速な数値計算法を開発する。構築した方法論を、高速周波数応答掃引のみならず、複素固有値問題や時間域波動散乱問題の高速解法、最適設計法へと応用する。