研究課題
基盤研究(B)
声帯膜は、ヒト以外の多様な動物種の声帯上部に存在する膜状組織である。これまでの研究から、声帯膜の存在により、声帯振動が不安定化し、カオスなどの非線形現象を生じ易いことが分かっている。本研究では、声帯膜の実体模型実験を中心に、摘出喉頭を用いた吹鳴実験、解剖学的解析、数理モデリングの多面的な方法論を用いて、多様な種および個体において、声帯膜振動が不安定化するメカニズムを明確にし、その条件を解明する。これにより、人類が声帯膜の消失を許容した適応的意義と、安定した発声を行うことが可能となったことで、言語の進化を加速させたプロセスを解き明かす。