研究課題/領域番号 |
23K28120
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補助金の研究課題番号 |
23H03430 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
小区分62040:エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
合同審査対象区分:小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連、小区分62040:エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 勇太 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任准教授 (10781362)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 拡張現実感 / Beaming display / プロジェクタ / Near-eye displays / ウェーブガイド / 導光板 / ホログラフィック光学素子 / Augmented reality / Near-eye display / Holographic optics |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、軽くて薄いARメガネに向けた新技術「HolographicBeamingDisplay」を開発する。この技術は、軽量な受光ホログラフィック光学素子(HOE)とリレー投影系を使用して、視野に映像を投影することを目指している。受光HOE光学系の研究では、柔軟なフォトポリマーフィルムと体積型ホログラムを使用して、より効率的に光を集める方法を研究する。この研究により、新しい光学素子の設計ツールや、投影接眼系での映像再生技術などのコア技術が開発されることが期待できる。これらの、本研究によって実現されうる技術は、ARメガネに限らず、プロジェクションマッピング技術や他の光学系にも応用できる可能性がある。
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研究実績の概要 |
本研究では、軽くて薄いARメガネに向けた新技術「HolographicBeamingDisplay」を開発する。この技術は、軽量な受光ホログラフィック光学素子(HOE)とリレー投影系を使用して、視野に映像を投影することを目指している。受光HOE光学系の研究では、柔軟なフォトポリマーフィルムと体積型ホログラムを使用して、より効率的に光を集める方法を研究する。この研究により、新しい光学素子の設計ツールや、投影接眼系での映像再生技術などのコア技術が開発されることが期待できる。これらの、本研究によって実現されうる技術は、ARメガネに限らず、プロジェクションマッピング技術や他の光学系にも応用できる可能性がある。
今年度の研究では、投影用受光メガネの光学系として軽量薄型のウェーブガイド設計を行った。フォトポリマー上にアナログホログラムとして回折構造を記録し、反射型HOEを作成した。このHOEをガラス基材に添付し、リレー投影系を構築した。また、長距離小型のプロジェクションを実現する投影光学系の試作を行った。今後、映像再生実験を行う予定である。また、HOEの光学特性を評価するための評価セットアップの開発も行う予定である。これらの研究を通じて、ARメガネに向けた新技術の開発に貢献することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究ではBeamingDisplayという分離型OST-NEDパラダイムにおいて、極薄型・軽量の受光HOE光学系とリレー投影系を開発する。受光光学系は光学シースルービームコンバイナーとして遠方から投影される狭画角の光線場を視界に統合する。これらは通常のARメガネにはない要件である。更に投影系は光線場を視野で映像が結像するようにHOEにリレーする。これにより、極薄型・軽量のARメガネの実現が期待できる。研究ロードマップは3研究項目カテゴリ(A,B,C)に分かれており、項目A・Bでは基盤技術の開発を、項目Cではそれらを統合したディスプレイシステムの開発・評価を行う。
今年度は、研究開発項目A(HOE受光系の設計・最適化・試作)およびB(HOEに最適化した映像投影系の試作)において、特に項目Aのウェーブガイド試作が進み、反射型ホログラフィック光学素子の試作ができるようになった。今後パラメーターを調整していく。項目Bにおいても投影光学系の設計が進み、試作システムを構築することができた。
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今後の研究の推進方策 |
■【研究項目A】HOE受光系の設計・最適化・試作。本研究ではPPFに体積型ホログラム(VH)を記録することを想定し、受光メガネに向かう光線場に対して、視界に映像を結像するHOEを設計する。VHはBragg回折に基づく理論解析が可能であり、投影系の光を視界に結像するためのレンズ光学系を設計できる。フォトポリマーの屈折率変調には限度があるが、曲面基材にPPFを貼ることで、厚さ1mm以下を満たしつつ、設計自由度の向上が望める。またアナログ光学系よりも自由度の高い、空間光変調器によるホログラムプリンティングも活用し、理論設計に従うHOEの試作を目指す。また、ウェーブガイドに適したインカプラ・アウトカプラの製作による小型化も目指す。 ■【研究項目B】HOEに最適化した映像投影系の試作。項目Aで試作するHOE受光系に対して、投影系を新規開発する。HOEによる受光メガネは当たった光を直接屈折させるため、映像をHOEよりも手前で結像するリレー系を開発する必要がある。また光源としては既存のBeamingDisplayを下地にLED光源をベースとする。ただし、HOEは波長選択性があるため、レーザー光源を用いることでより効率の良い投影系も検討する。中心視野20度へのフルHD(網膜解像度相当以上)の投影を目指す。 ■【研究項目C】ディスプレイシステムの統合・評価。最終的にARメガネとしてシステムを構築し、AR映像品質等の計測・評価を行う。また視点位置が動的な環境における評価も行う。特に、HOE受光系のEye-box等の性能指標を明らかにする。
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