研究課題/領域番号 |
23K28126
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補助金の研究課題番号 |
23H03436 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
小区分62040:エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
合同審査対象区分:小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連、小区分62040:エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下倉 良太 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (90455428)
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研究分担者 |
西村 忠己 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (60364072)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 信号処理 / 軟骨伝導 / アクティブノイズコントロール / 自己相関解析 / 線形予測符号 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,アクティブノイズコントロールと軟骨伝導を融合させ,耳を塞がずに,また聴取対象の音声を劣化させずに狭帯域ノイズのみを消音する技術開発に取り組む。軟骨伝導とは耳介軟骨を振動させ,外耳道内に音を直接放射させる音伝達経路であり,耳を開放したままでも聴取可能である。また音声を劣化させない工夫として,特定の周波数に追従的に適応するDelayed-X Harmonics Synthesizer アルゴリズム(DXHS)を用いる。今回の消音対象は狭帯域ノイズなので,その中心周波数と帯域幅を推定し,その範囲の離散的な周波数に対して適応をかけ,目的を達成する。
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研究実績の概要 |
本研究は耳介振動を通じて音を伝達する軟骨伝導と呼ばれる音聴取を用い,耳を塞がないアクティブノイズコントロールを実現することである。耳を塞がない場合,聴取したい音(音声)と共に不必要なノイズも混入する。よってこのアクティブノイズコントロールでは,ノイズだけに適応して,音声は無加工なまま鼓膜まで通す,いわゆる選択的消音が必須仮題となる。 本申請で用いる消音アルゴリズムはDelayed-X Harmonics Synthesizer アルゴリズム(DXHS)である。DXHSは,制御対象となる騒音に固有周波数が含まれており,更にそれが既知であることが前提となる。この前提をもとに,二次音源の振幅と位相を,フィードバック制御で適応させていく。これを狭帯域ノイズの消音に応用した場合,狭帯域ノイズの中心周波数と帯域幅を推定し,その範囲の離散的な複数の周波数(対象周波数)に対してDXHSを適応する。言い換えれば,固有周波数を含むノイズにのみ適応され,関係のない音声は無加工のまま通過されることが可能である。 2023年度の研究では中心周波数と帯域幅の推定に線形予測符号(LPC)を用いた。DXHSと同様にLPCはサンプル毎の逐次処理が可能なので,帯域ノイズの変化に追随して中心周波数と帯域幅を出力することが可能である。推定された中心周波数と帯域幅からDXHSの出力正弦波の周波数を決定し,聴覚フィルタに帯域制限されたノイズの消音を試みた。5つの正弦波を出力し,振幅を逐次更新することにより,帯域ノイズの消音が達成された。また音声の歪みも最小限に留めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
未知の狭帯域ノイズを線形予測符号(LPC)で予測し,狭帯域ノイズの中心周波数を推定するアルゴリズムがよく機能し,重畳した音声の明瞭度を保ちながら消音が達成されている。申請当初は自己相関関数を用いる予定だったが,変更したLPCベースのアルゴリズムが代替し,予想以上の成果を挙げている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度(2024年度)は聴覚フィルタに制限した帯域を広げ,より広帯域ノイズの消音を試みる。帯域が広がればそれだけ音声とのスペクトルオーバーラップが増加し,選択的消音(音声だけを残して,ノイズを消音する)が困難になると予想される。また昨年度はDXHSの出力を5つの正弦波としたが,広帯域ノイズではより多くの正弦波が必要になると思われる。制御する正弦波が増えるため,安定的な収束を保証するため,アルゴリズムの高精度化を進めていく。 またこのアルゴリズムの改良が早期に進めば,今年度後半にはDigital Signal Processing(DSP)への搭載も視野に入る。アルゴリズムをC言語化,さらに高速化し,DSPを使った消音実験にも取り組む予定である。
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