研究課題/領域番号 |
23K28158
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補助金の研究課題番号 |
23H03468 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
田向 権 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (90432955)
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研究分担者 |
香取 勇一 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (20557607)
PRAMANTA DINDA 九州情報大学, 経営情報学部, 助教 (50911393)
田中 悠一朗 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (70911288)
末竹 規哲 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (80334051)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 脳型計算機システム / 時空間領域 / ホームサービスロボット / ディジタルハードウェア / レザバーコンピューティング / FPGA / 半導体 / 集積回路 / ニューロモルフィック / 大規模言語モデル / ロボカップ |
研究開始時の研究の概要 |
時間・空間の両方から並列性とダイナミクスを活用するニューラルネットの理論と専用アーキテクチャを構築することで回路規模や消費電力を徹底的に削減し“モノの中に組込む脳型計算機”を実現する.再構成可能半導体FPGAの柔軟性・高速性と省電力性を活かした脳型再構成デバイスを開発,ホームサービスロボットへと応用し,RoboCup競技会を通し実用性を示す.
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研究実績の概要 |
本研究は,モノの中に組込む脳型計算機システムの実現を目指し,理論,回路,応用の3本の柱から構成される. 理論班:レザバーコンピューティングのモデル研究を進めた.リーク率の異なる小規模なレザバーを複数集めるマルチレザバーを提案し,入力信号から様々な周波数成分に依存した特徴量を抽出することに成功した.また,マルチリードアウトと組合せることで,認識精度の向上も示された.これらをジェスチャー認識へと応用してその有効性を示した. 回路班:レザバーコンピューティングのディジタル回路実装について研究を進めた.様々なハードウェア指向のアルゴリズムを構築してその有効性を示した.特に,Field Programmable Gate Array (FPGA)の構成要素であるLook Up Table(LUT)をレザバーのノードとして見立てるLUT-Netにてレザバーを構築したところ,極めて小規模の回路リソースで高性能なレザバーを実装可能なことが分かった.FPGAの主要会議の一つであるICFPTでの発表に繋がった. 応用班:ホームサービスロボットに関する研究開発を進めた.特に,大規模言語モデル(Large Language Model: LLM)によるロボット行動生成手法を提案し,人間から与えられた自然言語による命令,例えば「レモンをキッチンからとってきて」という文章より,ロボットの行動を適切に生成することができた.他にもロボットビジョンとLLMの組み合わせなどについて研究を進めた. 本研究の成果をホームロボットへと集約,RoboCup Japan Open 2023 優勝,世界大会RoboCup @Home Domestic Standard Platform League 準優勝など好成績を果たした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はおおむね順調に進展している.理論班,回路班共に計画通りの進捗である.また,ロボット応用は様々な要因で時間がかかり,かつ,近年はAI適用において急激な進化を遂げる.我々はLLMを積極的にキャッチアップしてロボットへ導入することに成功しており,急速な進化にも対応できている.今後,理論班,回路班が進める研究と組合わせることにより,モノの中に組込む脳型計算機システムの実現へ近づくものと考える.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,理論,回路,応用の3本柱での研究開発を進める.これらが一体となることで,真に有用な脳型計算機システムの実現につながると考えている.今後は特に,LLMとローカルなAIの組み合わせが重要になると考えており,回路や応用面から理論的考察を進めていきたい.
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