研究課題/領域番号 |
23K28167
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補助金の研究課題番号 |
23H03477 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61050:知能ロボティクス関連
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研究機関 | 会津大学 |
研究代表者 |
富岡 洋一 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (10574072)
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研究分担者 |
愼 重弼 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (40315677)
奥山 祐市 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (90404897)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2026年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | ディープニューラルネットワーク / ハードデッドライン / AIアクセラレータ / 行動解析 / 転倒検知 / 畳み込みニューラルネットワーク / グラフニューラルネットワーク / デッドライン / ジェスチャー解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、画像認識AIの信頼性向上を目指し、与えられたデッドラインに応じて推論処理を短縮することで、デッドラインまでに認識タスクを完了できるニューラルネットワークモデルとそのアクセラレータを開発することを目指している。提案技術の応用として、見守り・介護ロボットに適用できる周辺物体とその状態の解析技術、転倒検出や転倒要因解析手法などの開発にも連携して取り組み、高精度認識をデッドラインミスなく実現できることを示す。
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研究実績の概要 |
本研究では、画像認識AIの信頼性向上を目指し、与えられたデッドラインに応じて推論処理を短縮することで、デッドラインまでに認識タスクを完了できるニューラルネットワークモデルとそのアクセラレータを開発することを目指している。令和6年度は、デッドライン駆動モデル生成手法実現のために、畳み込みニューラルネットワークに対して基礎方式を設計した。この方式ではチャネルプルーニング手法に基づき、各チャネルの貢献度を計算する。少ない計算オーバヘッドで貢献度の低いチャネルに関する計算を省略できるように、貢献度が高いチャネルから低いチャネルの順番に並ぶようにフィルタの順序を修正する。実行時には、貢献度の閾値を調整し、貢献度が閾値以上のチャネルだけを選択して計算する。提案方式を実装し、チャネルの貢献度を調整することで計算量と精度とのバランスを調整できることが確認できた。今後は、本手法を多様なモデルに適用し、より少ない計算量でより高い精度が達成できるように改善することを目指す。また、デッドライン駆動推論の応用先の候補モデルとして、周辺物体の転倒検出、解析、診断のためのニューラルネットワークモデルの開発に取り組んだ。転倒検知においては、畳み込みニューラルネットワークによる特徴抽出とLSTMのアンサンブルを組み合わせることで高精度な転倒検知を実現した。また、畳み込みニューラルネットワーク、グラフニューラルネットワーク、マルチヘッドアテンションを組み合わせた新しいモデルにより手のジェスチャー認識精度を向上した。今後は転倒検知だけではなく、姿勢だけではなく手の動き等も解析することで転倒要因の解析を行うことを狙っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
デッドライン駆動推論モデルの開発は概ね計画通りに進んでいる。また、デッドライン駆動推論の応用先となるモデルの開発は計画以上に進んでおり、転倒検知の精度改善に加えて、将来的な転倒要因の解析の基礎技術となる手のジェスチャー解析に関しても精度向上を実現できた。ハードリアルタイムアクセラレータの開発については、計画していた推論時間のばらつきの削減に関して評価が完了していないため、やや遅れている。転倒検知においては、畳み込みニューラルネットワークによる特徴抽出とLSTMのアンサンブルを組み合わせることで高精度な転倒検知を実現した。また、畳み込みニューラルネットワーク、グラフニューラルネットワーク、マルチヘッドアテンションを組み合わせた新しいモデルにより手のジェスチャー認識精度を向上した。今後は転倒検知だけではなく、姿勢だけではなく手の動き等も解析することで転倒要因の解析を行うことを狙っている。
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今後の研究の推進方策 |
ハードリアルタイムアクセラレータの開発については、令和5年度に完了していない評価に加えて、優先度の高い推論を先に実行するための推論処理の中断と再開を実現するための命令セットアーキテクチャの開発とアクセラレータの拡張に並行して取り組む。デッドライン駆動推論の開発においては、これまでの開発を踏まえて、プルーニングに基づくデッドライン駆動モデルの評価と精度向上に取り組んでいく。また、別方式として、畳み込みニューラルネットワークの計算をスケールの異なる複数の低ビット量子化層で実現する方式についても開発を行っていく。これらの方式を組み合わせることで、より柔軟かつ高精度の推論時間短縮を実現することを狙っている。ハードリアルタイムアプリケーションについては、引き続き転倒検知モデルの高精度化に取り組むと共に、転倒検知要因の解析のための基礎技術の開発に取り組む。これらの開発を通じて、デッドライン駆動推論がサポートすべきニューラルネットワークの構造を明確にすると共に、精度を維持しつつデッドライン駆動推論に適したより単純なモデル構造についても検討する。
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