研究課題/領域番号 |
23K28184
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補助金の研究課題番号 |
23H03494 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
清水 秀幸 東京医科歯科大学, M&Dデータ科学センター, 教授 (70826263)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | がん併用療法 / バイオインフォマティクス / 人工知能 / 抗がん剤予測モデル / がん / システム生物学 / 抗がん剤 |
研究開始時の研究の概要 |
がんの制圧は総力を挙げて取り組むべき医療上の喫急の課題であり、これまで多くの抗がん剤が開発されてきた。しかしながら、単剤のみで完結することはほとんどなく、実際のがん治療においては複数の抗がん剤の併用療法を行うことになる。 本研究課題では全ゲノム解析に比べて安価に取得できるがんの遺伝子発現量をもとに、システム生物学と人工知能、および統計学的数理モデルを組み合わせることで多剤併用療法の精密な薬効予測を目指す。また、がんの個別化医療に向けた実証として構築した予測モデルを細胞株およびマウスを使った実験にて評価し、新たながん治療戦略の立案を行っていく。
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研究実績の概要 |
がんの制圧は総力を挙げて取り組むべき医療上の喫急の課題であり、これまで多くの抗がん剤が開発されてきた。しかしながら、単剤のみで完結することはほとんどなく、実際のがん治療においては複数の抗がん剤の併用療法を行うことになる。どのような薬物およびその投薬量の組み合わせが望ましいのかを正確に予測することで、それぞれの患者において最適な併用戦略を提唱できるようになる。
本研究課題の目的は、1) 臨床的に入手が比較的容易な遺伝子発現データをもとに、任意の化合物とその濃度における化合物の抗腫瘍効果を予測し、 2) 2剤ないし多剤を併用療法した際の抗腫瘍効果を事前に精密に予測するアプローチを開発することである。これができれば、個々の患者に応じた最適な化学療法レジメンの提案を通して個別化医療が実現すると期待される。 これを実現するために、我々はDA仮説 (independent drug action) という統計科学の手法を改良していく。単剤での精密予測AIを開発したのちに臨床治験の多くを説明できるIDA仮説に則った統計モデルを構築することで組み合わせ爆発を回避し、現実的に利用可能なスパースなデータの中で過学習せずに実用に耐えうる併用療法予測を行う計画である。
これまで全ゲノム解析に比べて安価に取得できるがんの遺伝子発現量をもとに、システム生物学と人工知能、および統計学的数理モデルを組み合わせることで多剤併用療法の精密な薬効予測を目指してきた。そして今後は、がんの個別化医療に向けた実証として構築した予測モデルを細胞株およびマウスを使った実験にて評価し、新たながん治療戦略の立案を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Genomics of Drug Sensitivity in Cancer (GDSC)と Cancer Therapeutics Response Portal Version 2 (CTRPv2) の単剤細胞株スクリーニングデータセットを用い、遺伝子発現と化合物およびその濃度を与えた時にがん細胞の生存率を精密に予測するモデルを構築した。がん細胞は1細胞解像度でかつ個々の遺伝子を見れば非常にヘテロな集合であるため、個々の遺伝子ではなく関連するパスウェイごとの活性で評価する独自の手法を用いてがん患者の腫瘍検体のトランスクリプトームデータを数値ベクトルに変換した。 このデータを元に、既存報告を凌駕するAIモデルを構築することができた。これをもとに2024年度は併用療法予測に取り組んでいく。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に開発したAIやデータ変換手法を基軸として、2024年度は併用療法予測に取り組んでいく。また、細胞株やオルガノイドベースでの実験検証系を2023年度に確立したため、AIの予測を検証するフェーズにも入っていきたい。
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