研究課題/領域番号 |
23K28202
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補助金の研究課題番号 |
23H03512 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62040:エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
合同審査対象区分:小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連、小区分62040:エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
土橋 宜典 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (00295841)
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研究分担者 |
佐藤 周平 法政大学, 情報科学部, 准教授 (90815599)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | コンピュータグラフィックス / 流体シミュレーション / ビジュアルシミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
煙・炎・水などの流体現象に関するリアルな映像を生成する手段として、3 次元数値流体解析を利用する方法が主流であるが、計算コストが極めて高い点が問題である。そこで、3 次元と2 次元の数値流体解析を併用した画期的な高速化手法を開発する。計算の一部を2次元の数値解析に置き換えることで問題の次元を下げ、計算の効率化を図る。低解像度の3 次元解析によって大域的な流れを計算し、局所的で高解像度の乱流成分を2次元解析によって生成する。これによりリアリズムを補償した上で、各段の高速化を実現する。本研究により、超高解像度でリアリズムの高い流体現象の高速な生成が可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究を推進するための環境整備と基礎的な定式化を行った。環境整備として、代表者保有の2次元および3次元の数値流体解析プログラムを本研究に合わせてカスタマイズした。本研究は3次元と2次元の流れ場を組み合わせるものであるから、これらの数値流体解析プログラムを一つに統合し、相互に情報交換可能なプログラムを新たに作成した。単一のシステムに統合することで、速度場や密度場など、3次元と2次元の間のデータのやり取りを直接的に行うことができ、数値実験にかかる手間が削減され、本研究を円滑に進めることが可能となった。
次に、上記の統合化されたプログラムを用いて、比較的単純な煙のシミュレーションを対象とした数値実験を行い、本研究で扱う問題の定式化を行った。数値実験では、事前に計算した高解像度の2次元流れ場に対し、PCA解析を適用して基底速度場を抽出し、それらの組み合わせによって3次元流れ場を復元する実験を行った。しかし、この方法では、複雑な3次元流れ場を復元することは困難であることが判明した。そこで、低解像度の3次元流れ場から取得した任意断面での速度場から高解像度の2次元流れ場を生成するガイド手法の利用を行うこととした。この方法では、速度場を流れ関数に変換し、高解像度の2次元速度場の低周波成分が3次元速度場に一致するよう最適化問題を解く。計算コストが高くなるため、GPUを用いた並列計算を導入した。3次元と2次元の速度場をすべてGPUメモリ上に展開し、高速に計算を行う。最適化問題は、共役勾配法によって解く。この方法によって、CPUによって計算するよりも5倍から10倍高速に計算することを可能とした。
また、本研究の定式化の過程で得られた制御の仕組みを水の流れやシャボン玉のアニメーションへと応用する研究についても行い、国内学会にて発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、環境整備と基礎的な定式化が完成し、また、単純な煙シミュレーションを対象とした基礎実験プログラムが80%完成している。計画では、これらは24年度中途に完了する予定であり、おおむね計画通りに進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、基礎実装を完成させ、断面配置の決定方法(断面の数・位置・向きなど)や3次元・2次元の速度場の次元削減と次元拡張および補完方法について検討・定式化}を進め、数値実験を通してその有効性と妥当性を確認する。評価方法として、高解像度での3次元数値流体解析のみを用いた場合と提案手法を用いた場合とで、速度場や密度場の統計量を比較し、また、生成された映像に対する主観評価実験を行う。
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