研究課題/領域番号 |
23K28204
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補助金の研究課題番号 |
23H03514 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62040:エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
合同審査対象区分:小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連、小区分62040:エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
佐藤 周平 法政大学, 情報科学部, 准教授 (90815599)
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研究分担者 |
土橋 宜典 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (00295841)
岩崎 慶 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90379610)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 結晶シミュレーション / レンダリング / デザイン / 制御 / パラメータ推定 / 最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではCGにおいて,氷や霜,水晶といった結晶生成のシミュレーションを制御することで,これらの形状や成長の過程,さらには見た目をもユーザが自由にデザインできるシステムの確立を目指す.映画やゲーム等では自然現象をCGにより再現することで,映像のリアリティ向上に貢献している.これまでCG分野では,水や煙,炎などの流体を扱う研究が数多く提案されているが,結晶化を扱っている研究はほとんど存在しない.しかし,映画やゲームにおいて氷や霜,水晶などが登場することは多く,これらを簡単かつ自由に作成できることの需要は高い.本研究では,3種類に大別される結晶それぞれにおいて別々にデザインシステムを提案する.
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研究実績の概要 |
樹枝状結晶について,シミュレーションのパラメータを最適化することで,指定した経路上を結晶が成長する際の成長速度を制御可能な方法を提案し,学会にて発表した.本補助事業の開始前に,我々は円形に近い形状においてシミュレーションに含まれるパラメータを最適化することで,指定した時刻に指定した形状を形成するような樹枝状結晶の成長制御シミュレーションを行う方法を発表していた.ただし,この方法は円形に近い形状以外を指定することは難しいため,例えば,結晶が特定の経路を通って成長するなどといった表現をすることはできない.そのため,ユーザが指定した経路状の入力に沿って結晶が成長するシミュレーションおよびその成長速度の制御について提案した.具体的には,入力された形状の中心線を求め,その線上において他の部分と成長の度合いを変化させる.また,シミュレーションの初期値を最適化することで,経路に沿った成長の速度を制御できることも確認した.この方法により本研究課題で目的とする制御の1つを実現できた. 一方,ユーザが指定したテキスト通りの樹木を生成する方法を提案し国際会議にて発表した.この手法では,樹木が手続き的な方法により生成され,テキストと画像の類似度を評価できる事前学習モデルを利用して,入力のテキストにあった樹木が得られるようなパラメータを最適化により求める.本研究課題では,当初画像やスケッチなどの視覚に関する入力から結晶をデザインすることを計画していたが,画像やスケッチでは与えにくい特徴をテキストで補助することで,より正確にユーザの希望を反映できる可能性がある.そのため,このテキストからの樹木の生成で得た知見を今後結晶の生成へ応用していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
樹枝状結晶,多面体結晶のデザインおよび,そのレンダリングについて,最初の2年間で手法の考案,発表を計画していた.現在それぞれについて実装や実験を行っている.特に樹枝状結晶については,すでに新たな方法を開発して発表もしており,おおむね計画通りに進展している.来年度にはそれぞれの研究について学会等への投稿を計画している.
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今後の研究の推進方策 |
樹枝状結晶については,その外形や成長する経路を指定し,制御する方法を今年度のうちに開発できた.そのため来年度は,当初の計画通り細かな結晶の形状まで指定可能な枠組みの開発を目指す.また,現状では手続き的なシミュレーションをベースとしているため,より写実的な結果を得るために,物理ベースのシミュレーションにおいても制御が可能かを実験することも計画している.多面体結晶や各結晶のレンダリングについては,引き続き手法の考案や実装,実験を進める.いずれも,来年度に学会等への投稿を計画している.
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