研究課題
基盤研究(B)
対流圏オゾンは、温暖化抑制および大気環境の改善に向けた重要な削減対象である。しかしオゾンは、アイスコアなどの古環境媒体に保存されないため、産業革命前から現在までの正確な増加量がわかっていない。この問題に対し、アイスコア中の過酸化水素の三酸素同位体組成(Δ17O(H2O2)値)はオゾン濃度のプロキシとなる可能性がある。本研究ではまず、独自に開発した手法を用いて多様な降水・積雪試料の分析を行い、Δ17O(H2O2)値とオゾン濃度の関係を検証する。そして、北極グリーンランドのアイスコアのΔ17O(H2O2)値分析により、1800年代以降の北半球対流圏オゾン濃度の変遷復元に挑戦する。