研究課題/領域番号 |
23K28216
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補助金の研究課題番号 |
23H03526 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
戸田 敬 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (90264275)
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研究分担者 |
大平 慎一 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (60547826)
佐伯 健太郎 琉球大学, 理学部, 助教 (70962801)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | エアロゾル / イソプレン / 硫酸エステル / クロマトグラフィー / 大気粒子 / 電荷検出器 |
研究開始時の研究の概要 |
化石燃料からの脱却が進む一方,温暖化や降雨量増大にともなって植物の密度や活性が上がり,植物起源の揮発性有機化合物による二次有機粒子(BSOA)の環境影響が顕在化しつつある。森林で放出されるVOCの多くは,大気化学反応によってエポキシ化し,大気粒子内でさらにその硫酸エステル体得る。本研究では,PM2.5の安定化剤として働きかつBSOA主成分のひとつと想定される硫酸エステル化合物の分離・定量を可能にする分析法を創出し,大気観測を通じてその実態を明らかにする。森林および都市部で採取したPM2.5粒子や雲水中の硫酸エステルを分析し,BSOAにおける植物を起源とする硫酸エステルの寄与を見積る。
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研究実績の概要 |
現在,植物などから放散する揮発性有機化合物(BVOC)の放出量は,人為的に発生する揮発性有機化合物(AVOC)の放出量より勝っており,今後BVOCの大気環境への影響はますます大きくなると予想される。BVOCの多くは大気中で酸化し他の化合物へと変遷するが,エポキシ化したBVOCは大気粒子に移行し,粒子内の硫酸イオンと反応して硫酸エステルになると考えられる。このような化合物は粒子の外殻を形成し無機化合物や水分を保持して粒子を安定化させたり,オリゴマー化・ポリマー化を通して二次有機粒子への移行を推進すると考えられている。しかし,その実態はほとんど知られておらず,大気環境における硫酸エステルの存在の解析が待たれている。そこで,まず硫酸エステルのようなイオン性化合物の定量を可能にする検出器の開発に着手した。検量線の作成に必要な標準物質が市販されておらず,また硫酸エステルには多くの構造異性体・光学異性体が存在し,一連の化合物の定量が困難だからである。硫酸エステル類の分離分析には,有機溶媒系の溶離液で分離を行う液体クロマトグラフィーを用いるが,有機溶媒系でも機能する電荷検出器を開発した。検出器で得られるクーロン量は試料に含まれるイオンの当量数に基づくことから,検量線を用いずとも直接定量することができる。また,分析には各硫酸エステルの標準試薬が必要となるが,イソプレンを起源とする硫酸エステル化合物を2種類合成した。イソプレンの発生量はBVOC発生量の約1/3を占めると言われる最も放散量の大きなBVOCである。阿蘇の草原などで大気サンプリングや雲水の採取を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ユニバーサルな定量を可能にする電荷検出器について試作を完了した。ただし理論クーロン量より大きめのシグナルピークが得られがちであり,その原因の究明を行っている。硫酸エステルの合成については多くの異性体の内大気で存在量の大きな2種の化合物について合成物を得た。また草原大気のエアロゾルや雲水を大気試料として得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
電荷検出器はある程度機能したが,大気試料中の硫酸エステルを本検出器で直接分析できない場合,質量分析器の校正を本電荷検出器で行うなどと修正していきたい。合成物が入手困難な化合物分析のひとつの布石になると考えられる。また草原で採取していた大気試料も森林大気などに拡張していきたい。
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