研究課題/領域番号 |
23K28227
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補助金の研究課題番号 |
23H03537 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千田 浩一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (20323123)
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研究分担者 |
山本 直樹 藤田医科大学, 産官学連携推進センター, 特任教授 (00267957)
鈴木 正敏 東北大学, 災害科学国際研究所, 講師 (60515823)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 放射線 |
研究開始時の研究の概要 |
「DNA二重鎖切断を誘発しない低線量・低線量率被ばくでは、水晶体上皮細胞に生じる酸化ストレスが分化異常を引き起こし、微小混濁形成の原因となる」という仮説をたてた。それを検証するため、まず水晶体の職業被ばくが生じるIVRに従事する医療スタッフの水晶体被ばく線量に関するデータを収集する。そして本研究で樹立する正常水晶体上皮細胞や、水晶体の細胞配列を2次元細胞培養系などよって再現する独自に開発してきたモデルを活用して仮説を検証する。また、生物実験の線量率よりもさらに低い線量率の長期被ばくモデルについても検討する。
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研究実績の概要 |
水晶体の職業被ばくが生じるインターベンショナル・ラジオロジー(IVR)に従事する医療スタッフの水晶体被ばく線量に関するデータをある程度収集することができた。 野生ニホンザルから採取した水晶体中の酸化ストレス解析方法の改良に取り組んだ。本解析では試料中のマロンジアルデヒド(MDA)とチオバルビツール酸の付加体を形成させて波長480から700 nmまでの範囲を1nmずつ吸光度を測定して得られるスペクトルを解析した。535 nm付近でのみ示される吸収のピークとその他の波長範囲の水平なベースラインの2成分が得られるので、535nmのピーク高から検量線を用いてMDA濃度が定量できる。しかしながら、組織試料解析では、ベースライン部分に起伏が生じて平坦なベースラインが得られないため、535nmのピーク高を正確に取得できずにMDAを評価できない課題が生じた。試料調整前に血液を取り除くことで解析可能なスペクトルが得られるようになった。また、血液除去過程が不十分であるとMDA濃度の正確性に影響を及ぼすことも分かった。本年度は組織試料を用いてMDA濃度を解析するためのプロトコールを確立し、従来法では定量が困難であった個体試料の評価できるようになったこと、従来よりも誤差範囲を小さくできるために低線量率被ばくによるわずかな変化を評価できる解析手法を確立した。 p53が機能するヒト水晶体上皮細胞の樹立するために、白内障手術時に切除される前のう片に接着しているヒト水晶体上皮細胞の初代培養を行った。研究分担者が開発した不死化ベクターは、従来の不死化ベクターと異なり遺伝子の特異的な領域に不死化遺伝子を選択的に導入することが可能であるため、水晶体上皮細胞の特徴が保持された不死化ヒト水晶体上皮細胞株(iHLEC-NY1)を作製することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初期成果等について、既に学会等で報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
1年目に樹立した不死化細胞について、長期間の細胞増殖を指標とした不死化能や、二次元三次元培養の効率を基準として本計画に適したクローンを選択する。得られた不死化細胞を低酸素インキュベータで長期間培養し、通常酸素濃度および低酸素濃度下で増殖する細胞を準備する。従来用いられてきたp53が機能しない不死化細胞についても同様に異なる酸素濃度で培養した細胞を準備し、DNA損傷や酸化ストレスの生成、細胞死や転写因子Pax6を指標とする放射線応答性を酸素濃度やp53の有無と関連付けて解析する。 福島第一原発事故に被災した野生ニホンザルの水晶体のサンプリングを継続し、低線量率放射線への被ばくが長期間継続した解析試料を収集する。水晶体以外に、歯や大腿筋を採取する。歯から抽出したエナメル質を適切な方法で化学処理をした後に、電子スピン共鳴分析で得られるスペクトルから炭酸ラジカル成分を分離して外部被ばく線量を評価する。大腿筋中の放射性セシウムをゲルマニウム半導体検出器で測定し、内部被ばく線量・線量率をニホンザルに適した線量率換算係数を用いて評価する。水晶体の酸化ストレスは1年目に確立した方法を用いて解析する。外部・内部の線量・線量率と酸化ストレスの関連性を検討するとともに、組織変化と酸化ストレスの関連性を検討し、放射線被ばくで誘発される酸化ストレス変化が組織変化に影響を及ぼす可能性について検討を始める。 水晶体の職業被ばくが生じるIVRに従事する医療スタッフの水晶体被ばく線量に関するデータを詳細に収集解析する。
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