研究課題/領域番号 |
23K28234
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補助金の研究課題番号 |
23H03544 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 公益財団法人放射線影響研究所 |
研究代表者 |
吉田 健吾 公益財団法人放射線影響研究所, 分子生物科学部, 室長 (70443596)
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研究分担者 |
内村 有邦 公益財団法人放射線影響研究所, 分子生物科学部, 室長 (20513063)
楠 洋一郎 公益財団法人放射線影響研究所, 分子生物科学部, 主任研究員 (60333548)
田邉 修 公益財団法人放射線影響研究所, バイオサンプル研究センター, センター長 (70221398)
濱崎 幹也 公益財団法人放射線影響研究所, 分子生物科学部, 副主任研究員 (80443597)
松田 由喜子 公益財団法人放射線影響研究所, 分子生物科学部, 研究員 (10735301)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | クローン造血 / 放射線被ばく / 体細胞変異 / バイオドシメトリ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、放射線関連クローン造血 (すなわち、放射線被ばくに特異的な変異をもち、増殖した血液細胞クローン) に注目し、血液細胞クローンに蓄積した体細胞変異の種類と数に基づいて、放射線被ばく線量だけではなく、被ばく時期の推定も可能になる新たな方法論の構築を目指している。 より具体的には、高線量被ばく群と非被ばく群の原爆被爆者の血液細胞DNAを全エクソームシーケンス解析することで放射線被ばくに特異的なクローン造血変異を同定する。さらに、被ばく時期と線量が明確な原爆被爆者の血液細胞クローンの全ゲノムシーケンス解析とクローン細胞系譜構築によって変異クローンの生成・拡大時期を推定する。
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研究実績の概要 |
本研究は、放射線関連クローン造血 (すなわち、放射線被ばくに特異的な変異をもち、増殖した血液細胞クローン) に注目し、血液細胞クローンに蓄積した体細 胞変異の種類と数に基づいて、放射線被ばく線量だけではなく、被ばく時期の推定も可能になる新たな方法論の構築を目指している。より具体的には、被ばく時期と線量が明確な原爆被爆者の血液細胞の次世代シーケンス解析とクローン細胞系譜構築によって、放射線被ばく群に特異的なクローン造血変異を同定すると共に、変異クローンの生成・拡大時期を推定することが目的である。 2023年度は、まず本研究について対象者あるいは代諾者に説明を行い、書面で同意を得る手続きを行った。その後、1Gy以上の高線量群の原爆被爆者および5mGy未満の非被ばく群それぞれについて、保存血球サンプルからDNAを抽出し、高深度 (400x) 全エクソームシーケンシングを実施した。高線量放射線被ばく群で増殖拡大した血液細胞クローン変異を同定するため、変異アレル頻度が2%以上の単塩基変異や小規模欠失などの体細胞変異の検出作業および検証実験を行っている。 2024年度以降は、放射線被ばくによって誘導されたと考えられる染色体転座を持ったT細胞あるいはB細胞クローンがFISH法を用いた以前の染色体検査で既に同定され、クローン細胞が数十サンプル保存されている高線量群の原爆被爆者について、クローン細胞の全ゲノムシーケンス解析および細胞系譜構築も実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は4年間で以下の二つを実施する計画である。 ① 高線量群の原爆被爆者および非被ばく群について、血球サンプルを全エクソームシーケンス解析することにより、高線量放射線被ばく群で特徴的にみられる血液細胞クローン変異を同定すること ② 原爆被爆者のクローン細胞の全ゲノムシーケンス解析および細胞系譜構築を行い、変異クローンの生成・拡大時期を推定すること 2023年度の1年間で、研究対象者などへの説明と同意取得を完了し、①については対象者全員の血球サンプルの全エクソームシーケンシングの実施および体細胞変異の検出にまで至っており、現在は検出された変異の検証を進めている。②についてはマウス血液試料を用いて実験およびデータ解析手法を確立しており、残り3年間で計画内容を完了できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、二つの線量群の原爆被爆者での血液細胞クローン変異の全エクソームシーケンス解析による検出と検証実験(検出された変異のアンプリコンシーケンス解析やT細胞受容体ディープシーケンス解析など)を完了させ、高線量放射線被ばくに関連するクローン造血関連変異遺伝子や体細胞変異の特性を明らかにする。 また、染色体転座を持ったT細胞あるいはB細胞クローンの全ゲノムシーケンス解析および細胞系譜構築も予定通り、進めていく。
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