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細胞外小胞を介した白金ナノ粒子の血液精巣関門透過性と精子運動性低下機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K28238
補助金の研究課題番号 23H03548 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分63030:化学物質影響関連
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

長野 一也  和歌山県立医科大学, 薬学部, 教授 (40548301)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
キーワード白金ナノ粒子 / 血液精巣関門 / 精子 / 細胞外小胞 / 精子運動性
研究開始時の研究の概要

本研究では、まず、セルトリ細胞に取込まれたnPtが、EVに内包されるまでの細胞内動態を解析し、エンドソーム内・細胞質内・EV内のnPt5, nPt30, nPt70をTEMで直接観察するとともに、gal3の集積数から、nPt5, nPt30, nPt70のエンドソーム膜傷害性を定量比較する。また次に、各nPtが、どのようなEV機構を利用するのかといった物性との連関を解析し、粒径の違いによって、利用されるEVを精査し、精子に曝露するnPt-EVを見出す。最終的に、EVに内包されたnPtと裸のnPtの精子運動性などに与える影響を考察し、nPtがEVに内包されて排泄されている意義の提唱を目指す。

研究実績の概要

ナノマテリアルの細胞内取り込みについては、一般に、エンドサイトーシスにより取り込まれることが多く報告されている。そこで、マウス精巣セルトリ細胞株(TM4)を用い、4℃条件下で、白金ナノ粒子(nPt)のエネルギー依存的な取り込みを阻害した状態で、ICP-MSにより細胞中の白金量を測定した。その結果、いずれの粒子径(nPt5, nPt30, nPt70)においても、37℃条件下に比べ、4℃条件下での取り込み量が有意に減少し、いずれの粒子径のnPtもエネルギー依存的な経路で取り込まれることが示唆された。また、その詳細を評価するため、透過型電子顕微鏡(TEM)により定性的に解析した。その結果、いずれの粒子径のnPtもエンドソーム膜の内側にある様子が観察された。このことからnPtはエンドサイトーシスによって、TM4細胞に取り込まれることが示唆された。
エンドサイトーシスによって取り込まれた物質は、リソソームで分解される経路や、リサイクル経路などによって細胞内を移行することが知られている。一方で、サルモネラやナノダイヤモンドなど、取り込まれた外来異物は、エンドソームを破ることで細胞質へと脱出することも報告されている。そこで、エンドサイトーシスにより取り込まれたnPtが細胞内のどこに分布するかをTEMにより検証した。その結果、いずれの粒子径のnPtもリソソームやエンドソームのみらならず、エンドソームの外側の細胞質に局在する像が観察された。したがって、各種nPtもエンドソームを破ることで細胞質へと脱出していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書に記載した研究実施計画のうち、「エンドソーム膜が傷害をうけると集積するgal3に着目し、gal3-RFP蛍光蛋白質融合体を安定発現させたTM4細胞を利用することで、gal3が集積したドット数を計数して比較する」という解析ができなかったものの、TEMでエンドソーム内のnPt、細胞質内のnPtを検出でき、おおむね順調に進展しているため。

今後の研究の推進方策

エンドソーム膜が傷害をうけると集積するgal3に着目し、gal3-RFP蛍光蛋白質融合体を安定発現させたTM4細胞を利用することで、エンドソーム膜への傷害と細胞質への脱出能を評価することで、TEM像の確らしさを定量評価する。また、細胞質へと脱出したnPtの排出機構としてExtracellular Vesicles(EV)に着目し、nPtのEV排出機構への関与や、粒子径の違いによる影響を多方面から解析する。最終的に、nPtが血液精巣関門を透過し、精巣上体に移行するためには、精細管の外側(basolateral側)から管腔側(Apical側)へと移行する必要がある。そこでtranswellを用いて、細胞の極性を考慮したうえで、血液精巣関門の透過性をin vitroで評価する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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