研究課題/領域番号 |
23K28266
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補助金の研究課題番号 |
23H03576 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
野村 俊之 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (00285305)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 都市鉱山 / 貴金属 / バイオ還元 / バイオフィルム |
研究開始時の研究の概要 |
貴金属・レアメタルの安定供給は、産業界の命運を握る極めて重要な課題である。現在の資源消費動向が続けば、経済性の問題からリサイクル技術が社会実装されていない「都市鉱山」からも金属資源を回収することは必要不可欠である。申請者は、嫌気性微生物のバイオフィルム化により大気下でのバイオ水素生産能の劇的な向上に成功している。そこで本研究では、バイオフィルム形成技術を都市鉱山の再資源化に適した嫌気性微生物を用いたバイオ還元(バイオミネラリゼーション)技術に応用することで、都市鉱山に含まれる貴金属を浸出した強酸性廃液から、嫌気操作なしに大気下で貴金属を選択的に高速かつ高濃度に分離濃縮する技術を開発する。
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研究実績の概要 |
微生物機能を活用したバイオ還元(バイオミネラリゼーション)技術は、“常温・常圧下”で希薄な金属溶液から細胞内に高速かつ高効率に貴金属を分離濃縮して粒子化することができるが、バイオ還元するには嫌気操作が必要となる、都市鉱山からの貴金属浸出液は強酸性で金属イオンが多数共存している、などの課題がネックとなり、社会実装された例は皆無である。これらの課題を解決するために、本研究では『バイオフィルム形成技術とバイオ還元技術を融合することで、貴金属種ごとにバイオ還元能とバイオフィルム形成能に優れた微生物種を選抜し、それら微生物の種特異的なバイオ還元機能を最適化することで、都市鉱山に含まれる貴金属を浸出した強酸性廃液(実廃液)から、嫌気操作なしに各細胞内に貴金属を選択的に高速かつ高濃度に分離濃縮する技術を開発』することを目的とする。2023年度の研究では、バイオ還元能およびバイオフィルム形成能に優れた微生物の選抜と耐酸素・耐酸性の評価を試み、以下の結論を得た。 まず、研究室保存のBSL1の微生物を用いてバイオ還元能およびバイオフィルム形成能を評価した結果、いずれの微生物もバイオ還元を行うがバイオフィルム形成能を十分に有した微生物は現段階では見つかっていない。そこで、本来の目的である嫌気操作なしにバイオ還元を行う方法について並行して検討を試みた。その結果、Fe(III)還元細菌S. algaeを用いたバイオ還元では、通常、嫌気条件下で行う必要があったが、予め細胞懸濁液に電子供与体としてギ酸塩を20分以上供与すると、溶液中の酸素が消費されて大気環境下でも安定してバイオ還元できることが明らかとなった。また、強酸性条件下では細胞が死滅するためバイオ還元はできなかったが、安価なNaOHを用いて水溶液を中和すると、王水の模擬浸出液からパラジウムを回収できる操作条件を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バイオ還元能およびバイオフィルム形成能に優れた微生物の選抜については、現段階では最適候補の探索中である。しかし、バイオ還元手順を検討することで、大気環境下で嫌気操作を行わずにバイオ還元できる方法を見出した。以上より、本研究は、おおむね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は以下の通りである。 1)バイオ還元能およびバイオフィルム形成能に優れた微生物の選抜を継続して実施する 2)バイオ還元メカニズムの解明とバイオ還元操作の最適化を行う。 3)強酸性実廃水を用いたバイオフィルム化微生物による貴金属分離回収の実証試験を実施する。
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