研究課題
基盤研究(B)
野生植物から作物への栽培化は、管理のしやすさと生産性を著しく改善し、食糧安定供給に貢献した。一方、生物のある性質と別の性質の間にはしばしば強い相関関係があり、増収を主目的とした従来の栽培化は、非意図的に人間にとって望ましくない変化も引き起こした可能性がある。栽培化に伴う変化の全貌解明は、変動環境下における食糧安定供給と持続型農業の達成という、両立し難い問題の解決に資する。本課題では、作物6種とそれらの野生祖先種を対象に、温暖化など4種の環境操作実験を行い、栽培化の過程で増収と引き換えに損なわれた性質を明らかにし、その変化が将来の作物生産と持続性に与える影響を探る。