研究課題/領域番号 |
23K28285
|
補助金の研究課題番号 |
23H03595 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田代 幸寛 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90448481)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2025年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
|
キーワード | 複合微生物工学 / メタ発酵 / 微生物叢 / 微生物機能 / 微生物代謝 / 複合微生物系 / 有機酸生産 / バイオプロセス |
研究開始時の研究の概要 |
複合微生物系によるメタ発酵法;『複合微生物系による有価物生産のための発酵法』は、従来の純粋微生物系よりも優れたメリット(複数基質の利用、雑菌汚染の耐性、殺菌設備の省略等)により、環境保全、未利用資源の循環利用などSDGsに資する技術として期待されている。以前は、微生物叢解析の複雑性・難易度などにより、研究遂行の障壁となっていたが、近年の網羅的微生物叢解析技術の発達により、メタ発酵研究で新たな発見がなされつつある。本研究では、光学活性L-乳酸のメタ発酵生産をモデル系としてその制御方法や最適化とともに、遺伝子発現解析・代謝解析による微生物機能を理解するとともに、『複合微生物工学』の体系化を図る。
|
研究実績の概要 |
本研究は、光学活性L-乳酸を含む有機酸をターゲットとする複合微生物を用いた微生物プロセスをモデル系としてその制御方法や最適化とともに、『複合微生物工学』の体系化を図ることを目的としている。2023度は、1.様々な基質・未利用資源を用いたバイオプロセスの開発、2.連続発酵法による有機酸生産性の向上に関する研究開発を実施した。 1.様々な基質・未利用資源を用いたバイオプロセスの開発 バイオマスを構成する様々な炭素源を用いた回分発酵を行い、炭素源が生産物および細菌叢などの発酵挙動におよぼす影響を調べた。リグノセルロース系・デンプン系・藻類系バイオマスを構成する、単糖、二糖、多糖、糖アルコール等を炭素源に用いた。発酵は種菌として未分離のコンポストを使用し、50℃、嫌気条件下で7日間、回分発酵を行った。その結果、デンプン・グルコース・キシロース・セロビオース・キシロオリゴ糖・グルコース+キシロース・セロビオース+キシロース、マンニトールでは、炭素源が減少して乳酸が増加し、最優占菌はWeizmannia coagulansであった。キシラン、アルギン酸ナトリウムでは、再優占菌は異なるものの、酢酸が主要有機酸として生産された。 2.連続発酵法による有機酸生産性の向上 生産性の優れた連続発酵において、固有パラメータである希釈率(D)が有機酸生産性および細菌叢におよぼす影響を解明した。発酵は種菌として 未分離のコンポストを使用し、50℃、嫌気条件下で1日間、回分発酵を行ったのち、連続発酵にpH7.0で制御しながら、D = 0.05, 0.15, 0.40 h-1で検討した。その結果、優占細菌種は D 値によって変化し,D 値の増加に伴い,種数が減少した.全 D値で乳酸が主生産物となり,D値の増加に伴い,高い乳酸選択性が得られた.また、回分発酵法よりも高い乳酸生産性が連続発酵法において得られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り,進捗し,複数件の学会発表および論文発表を完了している.
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、実バイオマスを用いた複合微生物プロセスの開発、連続発酵プロセスのさらなる高速化、微生物叢における機能解析、微生物叢における代謝解析を実施する予定である。さらに、得られた知見を基に、統合化、体系化を試みる。
|