研究課題/領域番号 |
23K28302
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補助金の研究課題番号 |
23H03612 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
横井 崚佑 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (80849894)
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研究分担者 |
畑山 博樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (30612733)
村上 進亮 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40414388)
本下 晶晴 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究グループ長 (50371084)
森本 慎一郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究チーム長 (90385518)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 金属資源 / 物質フロー分析 / ライフサイクルアセスメント / 産業連関分析 / ホットスポット |
研究開始時の研究の概要 |
金属資源は我々の生活に不可欠であるが、世界的な人口増加や経済発展、脱炭素化に向けた新たな技術導入などに伴い、金属資源の需要はますます増加すると考えられる。一方で金属資源の生産はCO2排出や水消費、土地改変など様々な環境問題と関わっており、気候変動への対応を始めとした環境制約の中で将来需要に応じた金属生産を実現できるのか懸念される。そこで本研究では、環境制約下での金属資源の利用可能な許容量 (プラネタリー・バウンダリ) を科学的に解明し、許容量と将来需要とのギャップの分析を通じて、持続的な金属利用の実現のための鍵となる要素 (ホットスポット) を特定するための枠組みの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
金属資源は我々の生活に不可欠であるが、世界的な人口増加や経済発展、脱炭素化に向けた新たな技術導入などに伴い、金属資源の需要はますます増加すると考えられる。一方で金属資源の生産はCO2排出や水消費、土地改変など様々な環境問題と関わっており、気候変動への対応を始めとした環境制約の中で将来需要に応じた金属生産を実現できるのか懸念される。そこで本研究では、環境制約下での鉱物資源の利用可能な許容量 (プラネタリー・バウンダリ) を科学的に解明し、許容量と将来需要とのギャップ分析とギャップ解消に向けたホットスポット分析を目的としている。1年目は主に以下の3つの課題に取り組んだ。 課題1. 環境制約下での鉱物資源の利用可能量の推計: 鉱物資源生産に伴う環境影響として温室効果ガス (GHG) 排出量と水消費量に関して、30以上の鉱物資源を対象に既往文献やデータベースに基づいて環境負荷原単位 (一部地域別) を整備した。さらに各鉱物資源の年間採掘量データと合わせることで各資源の年間環境影響量を算定し、水消費に関しては地域の環境容量指標との比較を行うことで鉱物資源の利用可能量の分析を進めた。 課題2. 世界における鉱物資源の将来需要予測: 日本に関して10以上の金属資源を対象に、将来の人口変化と脱炭素技術導入シナリオを考慮して将来の需要量とリサイクルポテンシャルの推計を行った。さらに銅に関してはデータセンターの整備といったデジタル化に関するシナリオも加味して将来需要を詳細に分析した。 課題3. 持続的な資源利用に向けたホットスポット分析: 持続的な資源利用に向けた分析として、資源経済学におけるユーザーコストモデルを援用して資源採掘の外部費用を表す指標を構築した。さらに年間資源採掘量データを合わせることで年間の資源採掘に伴う外部費用の分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題1に関しては、鉱物資源生産に関わる主要な環境問題である温室効果ガス排出と水消費に関して環境負荷原単位を整備することができた。また水消費については環境容量との分析まで行い、分析結果をまとめた論文の投稿を行った。課題2に関しては、世界を対象とする分析の前段階として日本を対象として将来需要の分析を詳細に行うことができた。課題3に関しては、ユーザーコストモデルに基づく資源採掘の外部費用評価指標の算定を行い、分析結果をまとめた論文を投稿して受理された。各課題に関して必要なデータの整備・分析を進めており、さらに一部の成果については論文投稿まで進められており、おおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
課題1. 環境制約下での鉱物資源の利用可能量の推計: 温室効果ガスと水消費それぞれについて環境容量を推計し、2つの環境問題の観点から鉱物資源の利用可能量を推計する。さらに鉱物資源採掘に伴う土地改変に関して原単位整備を行う。 課題2. 世界における鉱物資源の将来需要予測: 日本を対象とした将来需要予測を世界規模へと拡張するために、データ収集やシナリオ設定の検討を行う。 課題3. 持続的な資源利用に向けたホットスポット分析: 国際産業連関モデルを援用して各国が経済活動を通して各採掘国に誘発する資源採掘量の分析を進める。
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