研究課題/領域番号 |
23K28304
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補助金の研究課題番号 |
23H03614 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野町 素己 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 教授 (50513256)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2027年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2026年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | ユーゴスラビア / 北マケドニア / マケドニア語 / セルビア語 / ブルガリア語 / ギリシャ内戦 / エーゲ・マケドニア / 社会言語学 / スラブ語学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では1945年に成立したマケドニア標準語の形成史を再考する。1930~40年代初頭にソ連とユーゴスラビアの言語学者や政治家がマケドニア語標準化事業に関与したと考えられるが、その実態は不明であり、本研究は言語学者と歴史学者が連携し、既存文献の精査・再解釈に加え、ロシア、マケドニア、セルビアの文書館資料や個人所有の未刊行の新資料を学際的に分析し、標準語化事業におけるマケドニアとソ連、ユーゴスラビアの相互関係の実態を解明する。これにより、従来のマケドニア語研究の学説と異なるマケドニア標準語史を提案する
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研究実績の概要 |
本年度はマケドニア語標準語前史、ギリシャ内戦以後のマケドニア語分裂に関わる資料収集を行った。場所はブルガリア国立図書館、ブルガリア学士院文書館、マケドニア国立文書館、マケドニア学士院文書館、セルビア学士院文書館、ポーランド国立図書館である。ブルガリアではこれまで分析対象にならなかったマケドニア語新聞『前進!』をすべて電子化した。また、学士院文書館で19世紀末に記録されたマケドニア語方言テクストの電子媒体を入手した。加えて関連研究者(故人)の親族から未刊行の手紙類を一部提供されたが、2024年度に継続して提供を受ける予定である。マケドニアでは、チトーのマケドニア政策に関する資料を入手、またマケドニア語の父ブラジェ・コネスキーのアーカイブ、ユーゴスラビア大統領ラザル・コリシェフスキの膨大な資料、とりわけギリシャ内のマケドニア語の状況を示す資料の入手に着手した。2024年度にも作業の継続を行う。また、ポーランド国立図書館で、ギリシャ内戦以降にポーランドで刊行されたマケドニア語新聞や当時の教科書類を入手した。セルビアではマケドニア方言研究者アレクサンダル・ベーリッチの資料を収集した。加えて、ロシア学士院スラブ学研究所のスベトラナ・トルスタヤ氏から故人のトルストイ氏が保管していた未刊行のマケドニア語関係資料提供を受け、1950年代のソ連におけるマケドニア語研究の状況を分析した。これらについて国際学会報告1回、招待講演2回、論文3本(2本刊行済、1本掲載内定)の成果を出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ブルガリア、マケドニア、セルビア、ポーランドのいずれでも、現地研究者の協力も得て、資料収集は予定以上の成果を出した。また、当事者の遺族の協力を得て、公の機関で保存されている以外の独自資料も多く得ることができた。また現地調査の際に、当初予定していなかった聞き取り調査も行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度以降は、資料収集を継続するが、同時に資料の分析も行い、その中間報告として国際学会で2回発表する予定である。また2024年の冬には当該テーマを含む国際シンポジウムを組織して、さらに研究報告、そのあと成果の刊行を行う予定である。
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