研究課題/領域番号 |
23K28309
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補助金の研究課題番号 |
23H03619 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中溝 和弥 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90596793)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2026年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 権威主義 / 南アジア / 旧英領植民地 / 民主主義 / インド / 権威主義化 / 暴力 / ヒンドゥー至上主義 / インド総選挙 / 南アジアの比較政治 / 民主主義の危機 / 植民地支配の遺産 / 権威主義的法制 |
研究開始時の研究の概要 |
イギリス植民地支配の権威主義的性格こそが現在の権威主義化を招いたという仮説を検証するために、インド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカの旧英領植民地四カ国の比較研究を行う。具体的には、①植民地統治の権威主義的制度の継承、②これら制度の独立後の運用、③権威主義的支配に対する市民の意識と行動、の三点について調査、分析を行う。これにより、これまで十分に研究が進んでこなかった南アジア旧英領植民地の比較研究に新たな地平を切り開くと同時に、グローバルに進展する民主主義の危機についても、新たな視点を提供する。
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研究実績の概要 |
今年度の研究実績は、次の三つの柱からなる。第一に、インドの権威主義化に関する学術論文、論考の発表、第二に、インドの権威主義化に関する国際ワークショップの開催、国内研究会等での講義・講演の実施、第三に、2024年4月から6月にかけて行われたインド総選挙に関する調査である。 第一点に関しては、インドの権威主義化、とりわけ暴力の態様の変化に関する英語論文を発表したほか、現政権下で進む権威主義革命に関する日本語論文や、『世界』、『東亜』、『外交』などの一般誌に寄稿し、発表した。 第二点に関しては、インド政治研究、とりわけヒンドゥー至上主義研究で世界的に知られるC.ジャフルロー博士を招へいし、国際ワークショップを開催した(NIHUプロジェクト「環インド洋地域研究プロジェクト」と共催)。さらに、インドのメディア研究で知られるTaberez Ahmed Neyazi博士(シンガポール国立大学)を招へいし、インドにおけるメディア統制に関する国際ワークショップを開催した(文部科学省科学研究費・学術変革領域研究(A)「イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造」B03班「紛争影響地域における信頼・平和構築」との共催)。加えて、NIRA総合研究所やPHP総研・鹿島平和研究所が主催する研究会で講演や講義を行った。一般向けには、市民講座としてHSCマイスターゼミナールや京大アジア・アフリカ塾2024での講義を行った。 第三点に関しては、2024年4月から6月にかけて行われたインド総選挙に関し、海外研究協力者のTaberez Ahmed Neyazi博士(シンガポール国立大学)と共同で選挙前調査を行った。本調査は、インド・ビハール州における大規模サンプル調査であるが、本調査を通じて、インドで進む権威主義革命に関する有権者の認識を把握することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インドの権威主義化に関する調査研究は、当初の計画以上に進んでいる。しかし、昨今の円安とインドの物価上昇の影響によりインド総選挙調査費用が予想以上にかかってしまい、当初予定していたバングラデシュ総選挙の現地調査を行う事ができなかった。パキスタン総選挙調査も予定には入れていたが、上述の資金面での問題に加え、テロ事件が頻発するなど治安状況も悪化したため、現地調査は断念した。その結果、「おおむね順調に進展している」という評価にした。
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今後の研究の推進方策 |
来年度(2024年度)については、引き続き研究計画に従って調査を行う予定である。しかし、上述の理由によりインド総選挙調査に関する選挙後調査費用が想定以上にかかってしまったため、残された予算の範囲内で研究を進めたい。可能であれば、2024年秋に予定されているスリランカ大統領選挙について、現地調査を行いたい。
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