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政変後ミャンマーの国際労働力移動―受入4ヵ国の制度比較と移民ネットワークの再評価

研究課題

研究課題/領域番号 23K28313
補助金の研究課題番号 23H03623 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分80010:地域研究関連
研究機関九州大学

研究代表者

水野 敦子  九州大学, 経済学研究院, 准教授 (10647358)

研究分担者 生駒 美樹  東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (70838797)
藤田 幸一  青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (80272441)
岡本 郁子  東洋大学, 国際学部, 教授 (00450487)
深川 博史  東海大学, 文理融合学部, 特任教授 (30199153)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2027年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2026年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
キーワードミャンマー / 農村 / 外国人労働者受入れ政策 / 移民ネットワーク / 国際労働力移動 / 非正規移民 / タイ / マレーシア
研究開始時の研究の概要

ミャンマーはコロナ禍の中で起きた政変による混乱によって、人口の国外流出圧力が嵩じている。人口の約10%を占める移住労働者は、国内政治経済体制の将来にも多大な影響を与えよう。
本研究は、移動先として圧倒的に重要なタイ、マレーシアに加え、2010年代後半以降、受入れを増やしている韓国、日本の4ヵ国を対象に、ミャンマーからの国際労働力移動に新たな光を当て、調査・分析を行う。1つは、正規移動の制度的枠組みが移民や受入れ社会に与える影響を4ヵ国で比較分析すること、もう1つは、非正規移動について、移民ネットワークの機能に着目した分析であり、特にその政変後の変容に焦点を当てる。

研究実績の概要

ミャンマーはコロナ禍の中で起きた政変以降、人口の国外流出圧力が嵩じている。人口の約10%を占める移住労働者は、国内政治経済体制の将来にも多大な影響を与えよう。本研究は、政変後に加速化しているミャンマーからの国際労働力移動について、移動先として圧倒的に重要なタイ、マレーシアに加え、2010年代後半以降、受入れを増やしている韓国、日本の4ヵ国を対象に、制度的枠組みが移民や受入れ社会に与える影響、および人口比で少数民族が多い非正規移動について、移民ネットワークの機能に着目し分析することを目的とする。
国際労働力移動は送出入国社会に跨る現象で、受入国に閉じた分析には限界がある。また、複数の受入国の比較を通じ、制度的枠組みと移民ネットワークの関連について、問題をより複眼的・総合的にみる必要がある。そこで、本研究は、送出国ミャンマー社会の分析を踏まえたうえで、主要受入国4ヵ国の制度的枠組み、受入れ社会、移民ネットワークの比較分析を行う。また、移動先の社会に触れた移民を通じて、送出地には送金とともに様々な情報がもたらされる。送出地への影響を検討することも、本研究のポイントである。国際労働力移動のプッシュ-プル要因および制度的枠組みの変化については、統計資料や制度から把握し比較分析を行い、移動の実態、移民ネットワークや受入れ社会の変容、送出国の政治経済に与える影響分析については、フィールドワークを積み重ねる。
本年度は、代表者のサバティカル中のタイにおける在外研究の期間を捉え、タイ国内を中心としてフィールドワーク実施した。タイとマレーシアではミャンマー移民が不可欠な労働力となって久しく、政変後もその点で大きな変化はないこと、一方で、定着している移民労働者や民族ネットワークが、再拡大した非正規移民の滞在と就労を可能にしていることなど、重要なファクトファインディングを得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は、代表者がサバティカル中で在外研究を行ったタイを基点に、分担者らと共同で多くの現地調査を実施することができた。これらの調査によって、次年度以降の調査研究の課題を明確にし、計画を策定するうえで大変有益なファクトファインディングを得ることができた。よって、研究は順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

本研究は、政変後に拡大するミャンマーからの国際労働力移動について、受入国タイ、マレーシア、日本、韓国を対象に、複眼的・総合的な調査分析を行う。1つは、正規移動の制度的枠組みおよびその変化が移民や受入れ社会に与える影響を4ヵ国で比較分析をすること、もう1つは、人口比で少数民族が多い非正規移動について、移民ネットワークに着目をした分析を深めることであり、特に政変後の移民ネットワークの変容、およびそれが国内政治経済に与える影響などに焦点を当てる。本年度の調査を踏まえ、今後、移動過程の順に以下の点について、現地調査を実施し、研究を行う計画である。
・主要受入国4か国の制度的枠組みと正規移動について、受入国の制度と送出し機関やその他アクターが担う移出段階の機能の特徴を明らかにする。制度内の移動が比較的に多い日本と韓国について、重点的に比較分析を行う計画である。
・非正規移動に関して、少数民族組織や移民ネットワークが担う機能(仲介や互助など)の特徴を明らかにする。制度的枠組みとの関係解明も重要な論点である。ここでは、その割合が高いタイとマレーシアの分析を中心に行う。
・移住労働者と受入れ国の社会の関係変化について、受入れ社会の特徴を踏まえたうえで、ミャンマー人移住労働者の雇用比率が高い産業と地域に焦点を絞り明らかにする。この際、農業分野での就業に関して、詳細な調査を行う計画である。
・国際労働力移動の拡大が、翻ってミャンマー国内の政治経済に及ぼす影響について、特に影響を強く受けるであろう送出地農村や労働集約的産業に着目し明らかにする。国内産業への影響分析については、経済と雇用に占める比率の高い農業と、輸出製造業として成長してきた縫製業を、主な対象とする計画である。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] 東国大学(韓国)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] チェンマイ大学/NIDA(タイ)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] コロナ禍と政変後におけるミャンマーからタイへの国際労働力移動の諸相2023

    • 著者名/発表者名
      水野敦子
    • 学会等名
      GCR年次研究総会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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