研究課題
基盤研究(B)
本研究は時間反転可逆な微視的なレベルでの運動方程式と、時間反転不可逆な巨視的な振る舞いをつなぐ、熱力学的な時間の矢の根源を探索することを目的としている。これまでの研究では、核磁気共鳴を用いた探索が行われていたが、類似の手法であるミュオンスピン回転法を使うことにより、異なった視点から熱力学的時間の矢の問題にアプローチすることが可能である。上記の目的を達成するためには、ミュオンスピンをコントロールする磁場と大強度ミュオンビームから放出される陽電子の数を正確に測定する検出器が必要である。これらの要素技術を開発して測定を行い、時間の矢の問題に迫る。