研究課題/領域番号 |
23K28371
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補助金の研究課題番号 |
23H03682 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
原田 昌幸 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 名誉教授 (20283393)
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研究分担者 |
寺嶋 利治 愛知産業大学, 造形学部, 准教授 (30815395)
羽成 隆司 椙山女学園大学, 情報社会学部, 教授 (40269668)
向口 武志 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 教授 (90347419)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2026年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 景観計画 / コーポレートアイデンティティ / 都市景観 / 色彩基準 / 景観形成基準 / コーポレートカラー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究申請は、自治体の「景観計画」における色彩に関する景観形成基準によって、店舗ファサードデザインの変更が余儀なくされる店舗事業者と、それを規制する自治体(景観アドバイザーなど)に向けて、「景観調和とCI保持の両立を見据えたデザイン変更手法のあり方」を解明することを目論んだ研究である。 そのために、①実際にあるデザイン変更事例の徹底したフィールド調査と、②デザイン変更による、景観への影響の程度や店舗アイデンティティ保持の程度などを解明する認知心理実験、③それらを体系的に整理した、当事者向けの景観調和とCIの両立を見据えたデザイン変更ガイドラインの制作という3本立ての研究計画を立てた。
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研究実績の概要 |
4か年で実施する計画であるが、初年度の本年度は、目的1の「色彩規定に対応するためのデザイン変更手法の解明」のため、①の各自治体の景観計画で重点地区に指定されたエリアにおいて、チェーン店を対象に、景観計画の色彩規定の条件を満たすために実際に採用されたデザイン変更手法を徹底的に調査する。そのため、色彩規定のタイプと重点地区の多様性(都市部中心市街地・伝統的町並エリアなど)に配慮して、全国の6都市、計12の重点地区を悉皆調査する計画であったが、当初計画より多い、大阪、京都、金沢、宇治、奈良、日光、小田原、川越など、全国の8都市、14の重点地区において、フィールド調査を実施し、その結果をもとに、景観形成基準を満たすために実際に採用されたデザイン変更手法の体系的な分類整理を試み、色彩の変更手法だけでなく、デザイン要素の変更手法や設置位置の変更手法があり、場合によってはそれらを組み合わせて採用していることを明らかにし、日本建築学会東海支部発表会(3件)とAIC(国際色彩学会)の国際会議で、成果発表を行った。 また、2年度目に目的2の「どのようなデザイン変更を採用すれば、どの程度、地域の景観形成に寄与し、同時に、どの程度、店舗のアイデンティティを保持できるか、を解明し、体系的に整理する」ために、②デザイン変更による、景観への影響の程度や店舗アイデンティティの保持の程度などを解明する認知心理実験を行う予定であるが、その準備として、予備実験の実験計画、評価項目を作成するとともに、実験に用いる呈示画像もおおむね準備が完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の本年度は、目的1の「色彩規定に対応するためのデザイン変更手法の解明」のため、①の各自治体の景観計画で重点地区に指定されたエリアにおいて、チェーン店を対象に、景観計画の色彩規定の条件を満たすために実際に採用されたデザイン変更手法を、全国の6都市、計12の重点地区を悉皆調査することを計画していたが、当初計画よりも多い、8都市、14地区で完了した。また、分析も進めており、成果発表も予定通り行った。 2年度目に目的2の「どのようなデザイン変更を採用すれば、どの程度、地域の景観形成に寄与し、同時に、どの程度、店舗のアイデンティティを保持できるか、を解明し、体系的に整理する」ために、②デザイン変更による、景観への影響の程度や店舗アイデンティティの保持の程度などを解明する認知心理実験を行う予定であるが、そのための予備実験の実験計画、評価項目の作成は完了しており、実験に用いる呈示画像もおおむね準備が完了している。 以上から、「(2)おおむね順調に進展している。」と判断している。
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今後の研究の推進方策 |
2年度目のR6年度は、②のデザイン変更による、景観への影響の程度や店舗アイデンティティ保持の程度などを解明する認知心理実験と①のフィールド調査の追加調査と成果発表を行う計画である。まず、②の認知心理実験については、年度の早い時期に予備実験を実施し、実験方法と評価項目の妥当性を確認した上で、学生被験者を対象に、各種デザイン変更手法による、景観への影響の程度や店舗アイデンティティ保持の程度を分析する計画である。また、①のフィールド調査の成果発表として、デザイン変更手法の実態やその特徴分析について、国際会議等で発表予定である。 3年度目のR7年度は、②の認知心理実験について、景観アドバイザーなどの景観の専門家を対象に効果検証実験と、R6年度に実施した学生被験者を対象とした認知心理実験の成果発表を予定している。R7年度に実施する認知心理実験は効果検証に重点を置くため、複数のデザイン変更手法を同時に評価させるような形で実施する計画である。また、各種デザイン変更による、景観への影響の程度や店舗アイデンティティ保持の差異の体系化とその課題などについて、国際会議などで成果発表を行う計画である。 4年度目のR8年度は、③のデザイン変更手法の効果を体系化したガイドラインを制作する。ガイドライン案を制作し、自治体担当者や景観アドバイザー、デザイナーなどの専門家に、その内容や使い勝手などについて、アンケート調査を行い、実用性の高いガイドラインを完成させ、Web公開する計画である。
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