| 研究課題/領域番号 |
23K28376
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| 補助金の研究課題番号 |
23H03687 (2023)
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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| 研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉田 光男 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (60734978)
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| 研究分担者 |
風間 一洋 和歌山大学, システム工学部, 教授 (60647204)
佐藤 翔 同志社大学, 免許資格課程センター, 教授 (90707168)
大波 純一 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 開発研究員 (10726623)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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| キーワード | オルトメトリクス / 研究評価 / 学術情報 / Science of Science / ソーシャルメディア / 科研費 / 名声バイアス |
| 研究開始時の研究の概要 |
現在の学術情報システムは,論文のメタデータと被引用数を提示する程度であり,高度な専門知識が必要となる学術情報に関する早期評価および信憑性判断を利用者自身が行わねばならないという問題を抱える。本研究の目的は,査読前・出版前の学術論文の早期評価と信憑性判断を支援できる学術情報システムを実現することである。早期評価は,被引用数に加えて,論文公開後の比較的早い段階から利用できるオルトメトリクスと,論文公開時点から利用できる著者に対する評価を組み合わせ,さらに逐次的な更新を行うことで実現し,信憑性判断支援は,論文の引用・言及時の文脈情報を抽出し,それを学術情報システムの利用者に提示することで実現する。
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| 研究実績の概要 |
2024年度は主に,(1)SNSにおける学術情報拡散の構造とその評価可能性に関する実証研究,(2)学術情報の早期評価手法の高度化,(3)外部データを活用した分析基盤の整備の3点に取り組んだ。 (1)については,Twitter(現X)上の約5億件に及ぶリポストデータを分析し,影響力の高いユーザーが他者の投稿をリポストすることで情報が拡散する,いわゆる名声バイアス(prestige bias)の存在を確認した。特に,影響力の高いユーザーのリポストが二次的な拡散を促す傾向が明らかとなり,SNS上の認知バイアスを考慮した情報評価の必要性が示唆された。 (2)については,プレプリントの将来的な被引用数を,公開後1か月以内に得られる著者のh-indexやX上での言及人数,その時系列的な変化などをもとに予測する手法を開発した。LightGBMを用いた回帰予測により,投稿直後に言及が集中するプレプリントほど高い被引用数を得る傾向が確認され,こうした指標が早期評価に活用できる可能性が示された。 (3)については,科研費データをもとに,研究者の所属履歴や共同研究関係に基づくクラスタ分析を行い,研究機関間の構造を可視化した。これにより,将来的な早期評価指標の補完に資する基盤整備を進めた。また,SNS上の学術情報ネットワークと埋め込み手法(metapath2vec)の適用を通じて,被引用情報に依存しない論文特徴の抽出可能性も示された。 以上のほかにも,SNS上における研究者の情報収集活動が研究成果に与える影響について,約40万人の研究者データを用いて実証分析を行った。特に,著名研究者や研究機関のアカウントを積極的にフォローする研究者は,被引用数の伸びが有意に高い傾向にあり,情報収集行動そのものが将来的な学術的インパクトを高める要因となることが明らかとなった。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,プレプリントの早期評価手法の構築やSNS拡散構造の分析,研究機関間ネットワークの可視化など,研究計画に沿った複数の課題に取り組み,その成果を学術雑誌や学会において公表した。よって,おおむね順調に進展しているといえる。
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| 今後の研究の推進方策 |
2024年度までの研究により,プレプリントの注目度や情報拡散構造に基づく早期評価指標の有効性が確認された。今後は,著者情報,SNSでの言及状況,被引用数,ネットワーク構造など,性質の異なる複数の指標を統合したスコアリングモデルを構築し,時系列変化や情報の質的側面を考慮した柔軟な評価の実現を目指す。また,否定的言及や批判的引用を自動的に抽出する手法を開発し,信頼性を加味した新たな評価指標の確立を図る。さらに,科研費や特許といった外部データとの連携も進め,学術的・社会的の両面から研究を評価できる基盤の整備と,その実用化に向けた試験導入の準備を行う。
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