研究課題/領域番号 |
23K28404
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補助金の研究課題番号 |
23H03715 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
八木 高伸 早稲田大学, 理工学術院, 主任研究員(研究院准教授) (00468852)
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研究分担者 |
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
杉田 修啓 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20532104)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
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キーワード | 血管 / 動脈瘤 / ひずみ / 血流 / 血圧 / 病理 / 脳動脈瘤 / 力学 |
研究開始時の研究の概要 |
脳動脈瘤の破裂原因は血管壁の菲薄化である.菲薄化の原因は壁在血栓による炎症反応等と推察されてきた.一方,申請者は壁在血栓のない菲薄壁を発見しており,血管壁の菲薄化とは血管壁力学場の異常が平滑筋細胞の集団細胞死や組織崩壊を惹起した結果と考えた.本研究はこの仮説を疾患モデル動物より実証する.その際,生きた血管細胞組織の病態遷移過程に対して血管壁力学場を時系列追跡するという新しいアプローチを導入する.これにより力学的因子と病理学的因子の相互作用の存在を同定する.このことは疾患の基本原理の獲得に他ならず,力学と病理学が結合したメカノパソロジーの創成や診断治療技術の革新への突破口となると期待できる.
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研究実績の概要 |
研究代表者はヒト脳動脈瘤の医工病理分析より血管壁の菲薄説を導出した。本研究では菲薄説をラット大動脈瘤より実証する。具体的には(ア)動脈瘤に作用する血圧由来のひずみ(以降、動的ひずみ)は異常化しており,(イ)ある条件に達すると平滑筋細胞の集団細胞死が惹起される,(ウ)細胞死を介した内因的組織崩壊(亀裂)により瘤は増大する,(エ)組織崩壊を介して動的ひずみの異常度が自然増幅することを実証する。本研究は、菲薄化という血管リモデリングの存在を同定する世界で初めての研究である。そのために(1)ヒト脳動脈瘤の菲薄壁を再現できること、(2)血管分岐部の動的ひずみを計測できる技術を確立することを目的とした。(1)に関して、ラット大動脈分岐部にエラスターゼで作成した動脈瘤を若齢(10-20wk)、老齢(70wk以上)で比較した。結果、これまでの直線部で作成した瘤と異なり、肥厚壁と菲薄壁が共存していると考えられる所見を導出した(術後1週間、若齢・老齢)。肥厚壁とは中膜断裂に対する修復作用(微小血栓付着による細胞組織増殖)が集中的に作用した部位であり、菲薄壁とは何らかの理由により当該作用が働いていない部位と考えられた。老齢に限り血管壁の破綻による血餅の存在を確認した。血管老化による物性低下または修復低下が原因と考えられた。(2)に関して、DIC(digital image correlation)により血管分岐部の微視的表面の三次元形状および動的ひずみを同時計測できる技術を確立した。若齢ラット大動脈分岐部では細分枝側の血管近位部のみ血管軸方向に動的ひずみが作用する性質があることを改めて確認した。連続切片での観察により当該壁厚は他部位に比して50%以下に達しているという所見を得た。分岐部には生来より脆弱部が存在するという血管病を連鎖的に解明するうえで極めて重要な知見を示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請段階において(1)血管壁の菲薄化の再現、(2)力学場の時系列追跡を当該年度の目的とした。(1)は菲薄化を再現できると期待できる実験条件を見出した(術後1週間)。(2)は三次元血管表面の微視的形状と動的ひずみを同時計測できる技術を開発した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)に関しては菲薄壁が恒常的に維持されるか否かを長期的観察により明らかにする。具体的には1か月を目途に経過観察を行い,菲薄壁と肥厚壁を比較する.(2)に関しては(1)で作成した瘤へ適用する.まず菲薄壁と肥厚壁でどのようなひずみの違いが存在するのかを数値化する.
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