研究課題/領域番号 |
23K28408
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補助金の研究課題番号 |
23H03719 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
真栄城 正寿 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (40744248)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 脂質ナノ粒子 / ポリマーナノ粒子 / マイクロ流体デバイス / 長鎖DNA / ポリカチオン / ハイブリッドナノ粒子 / 長鎖プラスミドDNA / 遺伝子導入 / 核酸送達 |
研究開始時の研究の概要 |
siRNAやmRNAなどの短鎖の核酸送達技術は、医薬分野にパラダイムシフトを起こしつつある。一方で、短鎖の核酸と比較して長鎖の核酸は多くの遺伝情報をコードすることができるが、10 kbp以上の長鎖核酸を細胞に効率良く導入することは未だに困難である。そこで本研究では、脂質ナノ粒子を用いて、10 kbp以上の長鎖核酸を細胞に高効率に導入、機能発現させるための重要因子の解明に取り組む。
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研究実績の概要 |
siRNAやmRNAなどの短鎖の核酸送達技術は、創薬・医薬分野にパラダイムシフトを起こしつつある。これらの核酸は脂質ナノ粒子に搭載されており、高い細胞導入効率を示している。一方で、10 kbp以上の長鎖核酸の細胞への効率的な導入は未だに困難である。そこで本研究では、脂質ナノ粒子を用いて、10 kbp以上のプラスミドDNAを細胞に効率的に導入、機能発現させるための重要因子の解明に取り組む。本年度は、①長鎖プラスミドDNAの細胞への導入に適した粒子物性および構造の解明、②新規ポリカチオンの合成に取り組んだ。 ①まず、一般的な脂質ナノ粒子による15 kbpの長鎖プラスミドDNA(GFPを発現)を細胞への導入効率を評価した。その結果、mRNAワクチンに用いられている脂質ナノ粒子を用いても、10%以下のトランスフェクション効率であった。そこで、長鎖プラスミドDNAとポリカチオンによる複合体を脂質ナノ粒子に搭載する脂質-ポリマーハイブリッドナノ粒子による細胞導入を着想した。様々なポリカチオンを検討した結果、ポリエチレンイミンと長鎖プラスミドDNAの複合体を脂質ナノ粒子に搭載した場合に、トランスフェクション効率が向上することを見出した。そこで、ポリエチレンイミンの構造や分子量が、トランスフェクション効率に与える影響を調査した。その結果、分子量が10000で、分岐構造のポリエチレンイミンが、最もトランスフェクション効率が良いことを見出した。また、作製した粒子の粒径や内部構造を動的光散乱法および小角X線散乱法によって測定し、長鎖プラスミドDNAの細胞への導入に最適な粒子物性を見出した。 ②ポリエチレンイミンの構造をもとに、新規なポリカチオンの合成に取り組んだ。数種類のポリカチオンの合成に成功および構造を決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
長鎖プラスミドDNAの細胞への導入に適したポリカチオンを見出しており、当初の計画通りに進展している。また、新規ポリカチオンの合成方法も確立しているため、概ね順調に研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りに、粒子の物性および構造と細胞導入効率の関係を献奏する。作製したハイブリッドナノ粒子の遺伝子導入過程を明らかにする。また、新規ポリカチオンライブラリーを構築し、長鎖プラスミドDNAの細胞への導入効率の向上に取り組む。
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