研究課題/領域番号 |
23K28462
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補助金の研究課題番号 |
23H03774 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
小区分90140:医療技術評価学関連
合同審査対象区分:小区分90130:医用システム関連、小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
山口 充孝 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子技術基盤研究所 量子バイオ基盤研究部, 上席研究員 (10375404)
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研究分担者 |
山本 誠一 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 上級研究員(研究院教授) (00290768)
大野 達也 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10344061)
渡部 浩司 東北大学, 先端量子ビーム科学研究センター, 教授 (40280820)
酒井 真理 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (70727338)
KANG HANGYU 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員 (90824467)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 粒子線がん治療 / 二次電子制動放射 / モンテカルロシミュレーション / 空間分解能評価 / CT撮像 / リアルタイム |
研究開始時の研究の概要 |
粒子線がん治療においては治療ビームの確認と断層撮像を治療中に同時に行う手段が確立されておらず、安全上の問題から効果的で効率的な治療に踏み込めない。この状況を打開するため、治療ビームの体内軌跡から放出される電子制動放射線を用いて、体外に線源を追加すること無しに断層撮像を治療中に行う手法を開発する。本手法により人型ファントム撮像試験を行い臨床使用における有効性の実証を目指す。
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研究実績の概要 |
近年、粒子線治療で主流になりつつあるスポットスキャニングでは、到達深さの少しずつ異なるスポットビームの重み付き重ね合わせとして全体の治療ビームを構成する。この場合、スポットビーム毎に投影画像を取得すれば、これを点状の線源によるシンプルな投影画像に還元できる可能性がある。本研究ではこの還元方法の研究を中心課題とする。この課題が解決できれば、還元した点線源投影画像から断層画像を再構成することで、治療中の断層撮像を実現できる。本研究においては解析的手法とAI技術を組み合わせることによって「重み付き重ね合わせ投影画像」から「点線源投影像」を還元し、さらに、得られた点線源投影像から「断層画像」を作成する手法の開発を進める。 治療中断層撮像手法の開発を進める際に、検出器の形状および配置の条件探索が必要となり、本研究ではこの探索を、モンテカルロシミュレーションを利用して進める。23年度前半にシミュレーションの実施環境構築を実施した。シミュレーションにおいては二次電子制動放射線の輸送計算が必要となるが、この計算は粒子線により発生する大量の低エネルギー電子の輸送を伴うため、計算時間短縮が必須となり、実現のために、粒子線軌跡上に発生する二次電子制動放射線を電子の輸送を介さずに短時間で計算する手法を開発し、サブプログラムとしてシミュレーションソフトウェアに実装した。 これと並行し、点線源投影画像への還元手法の開発を開始した。まず、拡張したサブプログラムを組み込んだシミュレーション環境を用いて、投影データの作成を行った。 これと並行して、24年度に予定している撮像装置の試作機の製作に先立ち、チェッキングソースの設計、製作を実施した。製作する試作機はコリメータを持たない画像検出器となる。本装置の空間分解能評価に必要となるタングステンコリメータの設計、製作を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度予定していたシミュレーション環境の構築が予定通り終了し、加えて、次年度予定している試作機の空間分解能評価のためのチェッキングソース及びコリメータの設計・製作を完了したため。
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今後の研究の推進方策 |
24年度中盤までに還元手法を確立する。24年度後半に、還元した点線源投影画像から断層画像を再構成する手法を、最尤推定期待値最大化法(逐次近似法)をベースとして開発する。これにより得られる断層画像は検出器の形状、配置に大きく影響されるため、シミュレーションによって様々な形状、配置のデータを取得したうえで、治療中にビームにより断層撮像を行う際に最適と考えられる検出器形状、配置を決定する。 撮像装置の試作機の製作を開始し、チェッキングソースによる撮像試験を24年度末までに実施する。製作する試作機はコリメータを持たない画像検出器にノイズとなる放射線に対し遮蔽を施したものとなる。設計の際は、治療ビームと干渉しない形状、配置を選択する。
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