研究課題/領域番号 |
23K28478
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補助金の研究課題番号 |
23H03790 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
道脇 幸博 東邦大学, 医学部, 客員教授 (40157540)
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研究分担者 |
野嶋 琢也 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (10392870)
井尻 敬 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (30550347)
橋本 卓弥 東京理科大学, 工学部機械工学科, 准教授 (60548163)
関谷 秀樹 東邦大学, 医学部, 准教授 (70267540)
大竹 義人 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (80349563)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2026年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2025年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 食品窒息 / 嚥下ロボット / コンピュータシミュレーション / 窒息予防 / 窒息 / シミュレーション / プロジェクションマッピング / 動的プロジェクションマッピング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,以下の6分野からなる.1.4次元CTでの器官と食塊の領域分割,2.実測などによる食品モデルの制作,3.生体モデルの制作と食品モデルとのシミュレーション(形状データのシミュレーション),4.嚥下ロボットによる力の情報の取得,5.力学情報を備えたシミュレーションでの事故例の再現(in silico評価),6.予防戦略の立案である. 本研究の学術的独自性は,実機とin silico評価を組み合わせた倫理的リスクが小さい研究方法の開発である.in silico評価は,倫理的・経済的に負担の少ない新たな研究方法として,他分野での研究にも広く展開される可能性が高いことである.
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研究実績の概要 |
研究課題「嚥下ロボットとシミュレーションによる食品窒息のメカニズム解明と新規予防戦略」の初年度である. 嚥下ロボットでは,ヒトと等倍の嚥下ロボットを制作し,数種類のグミやゼリーを口腔から咽頭に送ることに成功した.今後は,喉頭や気管と食道を装備した嚥下ロボットならびに咀嚼運動を備えた咀嚼嚥下ロボットを制作する予定である. シミュレーション関連では,まず,グミを咀嚼嚥下する際の4次元CTを新たに10名取得した.被験者は,健常者9名と総義歯を装着する歯顎患者である.本CTのデータは,シミュレーションの形状データとして活用される.次に,現有の嚥下の4次元CTを自動で領域分割する方法を検討した.その結果,nn-Unetを使ったAIによる自動領域分割法が適切であると判断した.そこで,AI用の正解データをマニュアルで制作した.領域分割した器官は,骨,食塊,舌,軟口蓋,舌骨,甲状軟骨である.正解データを学習したAIが自動で領域分割したデータは,元データとよく一致していたので,今後は,喉頭蓋や咽頭壁などの自動分割法を検討する. 新規予防戦略では,シミュレーションのデータを活用してヒトの口腔から咽頭,喉頭部の皮膚に嚥下運動をプロジェクションマッピングする方法を検討中である.マッピングは可能であることを確認したので,今後は,実際の嚥下との同期を検討する. 研究発表については,関連論文4編,学会発表4回を行った.学会発表のうち1回は招待講演である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
シミュレーション研究部分については想定通りの進行である.しかし,実食品を嚥下できるヒトと等倍の嚥下ロボットを制作できたこと,ならびにヒトの頸部皮膚にシミュレーションで得た嚥下運動をマッピングすることに成功したことが,予想以上の研究の進展であった.
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今後の研究の推進方策 |
嚥下ロボット製作に関しては,喉頭と気管ならびに食道を装備して,咽頭での窒息と喉頭や気管での窒息を区別できるようにする.また嚥下だけでなく,咀嚼をともなう咀嚼嚥下ロボットを制作して,食品窒息のメカニズムを咀嚼と嚥下の両面で検討できるようにする.シミュレーションに関しては,生体モデル数が増えれば,構造(解剖)や運動の個体差が明確になり,食品窒息の起こりやすさを構造や運動の視点から明確にすることができる.そのため,生体モデル数を増やすために,AIが領域分割したデータから直接的に生体モデルを作る方法を開発する. 新規予防戦略については,食品窒息事故のバイスタンダー向けの啓発活動に役立つコンテンツやツールを開発する.
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