研究課題/領域番号 |
23KF0019
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 隆志 東京大学, 物性研究所, 准教授 (50531472)
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研究分担者 |
ONEAL JORDAN 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2024年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2023年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | X線自由電子レーザー / 非線形光学 / X線ミラー / ウォルターミラー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまで均一な材料に対してのみ行われていたX線非線形光学現象の研究を、微細パターンや不均一材料などの試料系に拡張するために、新たなフェムト秒X線顕微イメージング技術を開発することを目指す。そのために特別研究員の持つアト秒・フェムト秒分光の経験を活かした試料作製・解析技術と、受け入れ研究室の持つ高精度X線光学技術を融合させた実験系を構築する。 具体的には、ウォルターミラーを利用した超高強度のX線自由電子レーザー集光ビームを利用し、X線非線形光学現象としては、軟X線領域における誘導ラマン散乱および硬X線領域におけるコヒーレント反ストークスラマン散乱の検出を目指している。
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研究実績の概要 |
本研究では、これまで均一な材料に対してのみ行われていたX線非線形光学現象の研究を、微細パターンや不均一材料などの試料系に拡張するために、新たなフェムト秒X線顕微イメージング技術の基礎を開発することを目指している。 当該年度には、主として本研究でX線非線形現象の二次元イメージングを行うのに適した試料探索・作製を行った。X線非線形光学現象としては、軟X線領域における誘導ラマン散乱および硬X線領域におけるコヒーレント反ストークスラマン散乱の検出を目指しており、理論・計算面でのシグナル強度の検出可能性の検討を行うとともに、次年度以降の最適化を念頭に、X線自由電子レーザー施設SACLAでの計測系の構築および試料の計測実験を行った。炭素吸収端、酸素吸収端などを狙った測定を行った。現在、取得データの解析を進めるとともに、ノイズ低減を目指した計測系の改善などの検討をSACLAスタッフと共に進めている。また並行して、高分子薄膜上への金属薄膜蒸着など試料の調整方法の最適化も実施した。 この他、次年度以降の顕微イメージングへの展開を行うために、高い拡大倍率での試料像取得が可能なWolter type-3光学系の光学設計を進めるとともに、X線ミラーの作製を行う協力企業との打ち合わせを行った。 実験及び取得データの解析に関しては、米国スタンフォード大学およびスペインのカタルーニャ工科大学の研究者とも共同で議論を進めており、頻繁にZOOMミーティングを重ねており、順調に計画を遂行している状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では初年度には、本研究でX線非線形現象の二次元イメージングを行うのに適した試料探索・作製を行うことを想定していた。前述の通り、当該年度では計測試料に関して理論面・作製面の双方を進めており、計画は概ね順調に進んでいる。 また、当初計画から前倒しでX線自由電子レーザーを利用した計測実験にも取り組んでいるため、次年度の研究実施にあたっても大きな支障は無い。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は昨年度にSACLAで計測したデータの解析を進め、試料および実験系の改善を進める。並行してX線非線形現象イメージング用の光学系の設計及び構築を行い、SACLAの軟X線ビームラインを利用して原理検証実験を実施する計画である。
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