研究課題/領域番号 |
23KF0049
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分14010:プラズマ科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
浜口 智志 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (60301826)
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研究分担者 |
VINCHON PIERRE 大阪大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2024年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2023年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 単層グラフェン / ICPプラズマ / プラズマ表面相互作用 / 低エネルギーイオン / 分子動力学シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、プラズマ支援原子層堆積法(PE-ALD)により、グラフェン及び単層アモルファスカーボン(MAC)の低温成膜を実現することを目標とする。既存の手法では、グラフェン等をCu基板上に成膜するには、基板を1000℃程度の高温で加熱することが必要であったが、将来の2次元半導体デバイスの製造においては、表面温度を300℃以下程度に抑え、且つ、SiO2のような絶縁体基板上にグラフェンを生成することが求められる。本研究では、ベンゼン等前駆体の重合反応を誘起するPE-ALDにおける表面反応機構を、プラズマ実験と数値シミュレーションにより解明し、同PE-ALDの実現を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の究極の目的は、プラズマ支援原子層堆積法(PE-ALD)により、グラフェン及び単層アモルファスカーボン(MAC)の低温成膜を実現することにある。既存の成膜手法では、Cu基板を1000℃程度の高温で加熱することが必要であったが、将来の2次元半導体デバイスの製造においては、表面温度を300℃以下程度に抑え、且つ、SiO2のような絶縁体基板上にグラフェンを生成することが求められる。グラフェン等の低温成膜法は、まだ十分に研究されておらず、本研究では、PE-ALDによる低温成膜に必要な表面反応機構を、ベンゼン等の前駆体の重合反応および反応性プラズマと形成されるグラフェンおよび基板材料との相互作用に注目して明らかにする。研究手法は、プラズマ照射、プラズマ診断、および表面分析実験と表面反応数値シミュレーションを統合的に活用する。本研究の初年度である令和5年度は、グラフェンがPE-ALDで生成されたとして、プラズマ照射により、グラフェンにどのような欠陥が生成され、かつ、回復されるか、という観点から、プラズマ・グラフェン相互作用の基礎研究を進めた。当初の計画通り、令和5年に、2次元材料用PE-ALD実験装置を完成させ、誘導結合型プラズマ(ICP)照射装置から、グラフェン表面に制御された低エネルギーArプラズマ照射を可能とし、照射されたグラフェンのラマン分光計測を実施した。これにより、グラフェンの欠陥形成機構の関するモデル化を行い、実験結果と整合性の取れたモデル方程式の導出に成功した。一方、分子動力学(MD)シミュレーションにより、Arイオン照射による欠陥生成機構を、原子レベルで明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
令和5年度の研究では、プラズマ・グラフェン相互作用の基礎研究に集中した。プラズマ照射後のラマン分光結果と、プラズマのイオン照射エネルギー制御の研究から、グラフェンにダメージを与えるエネルギー閾値として、これまで知られていたものより、はるかに低いイオン照射エネルギーで、グラフェンに欠陥が生成されること、また、その欠陥が自己修復することを明らかにした。これらの結果は、これまでの学会の常識を覆すもので、且つ、PE-ALDプロセス中にも十分問題になりえる現象であるため、実験データ解析に加え、表面反応モデルの構築、プラズマ・グラフェン相互作用に関する分子動力学シミュレーションを実施し、それらの結果を論文にまとめ、投稿した。一方、PE-ALDの準備は順調に進めており、令和6年度にその結果が出ることが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、Cu およびSiO2上でのベンゼン分子のプラズマ重合実験を実施する。特に、Ar準安定粒子照射による、ベンゼン堆積面の活性化効果を詳細に調べる。数値シミュレーションでは、古典MDシミュレーションおよび量子論的シミュレーションにより、SiO2基板上でのベンゼン重合反応、特に、Ar準安定粒子照射からのエネルギー供与の影響を明らかにする。特に、SiO2基板上に堆積したベンゼンやグラフェンに対するプラズマ照射では、Si-C結合形成によるグラフェンの破壊が問題となるため、こうした反応を防ぐための自己停止(self-limit)反応の可能性を実験とシミュレーションの両面から検討する。
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