研究課題/領域番号 |
23KF0123
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
和穎 朗太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (80456748)
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研究分担者 |
YANG PUU-TAI 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-07-26 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2025年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2024年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 鉱物風化促進 / 玄武岩 / 土壌炭素貯留 / 有機物・鉱物相互作用 / 団粒化 / 溶脱 |
研究開始時の研究の概要 |
粉砕した塩基性岩石を農地に撒くと化学風化により大気CO2吸収が促進される。これは工学的Direct Air Captureに比べ費用対効果が高い炭素隔離技術として注目されている。更に、風化で溶出する金属と有機物の結合による団粒化・土壌有機物の形成(有機炭素隔離+肥沃度向上)が期待できるが、風化反応は遅く不均質であり評価が難しい。本研究では、粉砕岩石と同位体標識炭素を用いた培養実験と、物理分画手法、各種顕微・スペクトロスコピー分析により、ミクロスケールで生じる有機・成分の相互作用を定量し、鉱物風化に伴う土壌プロセスの詳細を解明することでこの炭素隔離技術の実行可能性や長期的効果を見極める。
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研究実績の概要 |
・初年度は、パイロット実験により玄武岩粒径、マトリックス鉱物タイプ、溶脱条件の検討を行った後、植物残渣と添加し微生物活動が生じる条件での6カ月間の本実験を行った。 ・本実験では、2つの粒形サイズに分離した国内玄武岩の粉砕物を対象とし、これらの風化および団粒化を、週1~2回の人工降雨(毎週の降雨量は同じだが、乾湿サイクルが異なる)条件下の培養実験によって評価した。 ・評価項目は、溶脱溶液の化学組成、培養後の土壌有機炭素、無機炭素量、および風化に伴い二次生成した鉱物量、および団粒形成量とし、無事に6カ月の培養・溶脱実験は完了した。現在、各項目および初期鉱物の詳細な鉱物組成の分析を進めている。 ・分析項目が膨大であるため、先ずは石英砂マトリックスで行った玄武岩培養実験の分析を進めている。少なくとも、乾湿サイクルよりも玄武岩の粒径のほうが風化速度を強く規定していること、風化速度を評価する上で対象元素(Ca, Mg, Fe, Al, Si等)ごとの挙動がかなり異なることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
特別研究員の精力的な研究活動により、当初の予定以上に早いペースで実験および実験後の分析が進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
6カ月の培養・溶脱実験は完了したものの、多くの処理区および反復のある実験であったた、分析にはかなりの労力を要する。上述の通り、先ずは解釈のしやすいシンプルな系(玄武岩+石英砂+植物残渣)の実験結果をまとめることを優先する。海外でも玄武岩風化によるCO2吸収効果を調べる研究が活発化してきたため、新知見をいち早く論文化してゆくことが重要と考え、解析と論文化を同時並行で戦略的に進める。
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