研究課題/領域番号 |
23KF0224
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大場 史康 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (90378795)
|
研究分担者 |
HEMPELMANN JAN 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2023-11-15 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2025年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2024年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 第一原理計算 / 無機材料 / 化学結合 / 空孔 |
研究開始時の研究の概要 |
比較的高濃度の原子空孔を含む相変化材料、超伝導体、蓄電池電極材料を対象に、材料特性に関わる原子空孔近傍での化学結合状態の変化に着目して俯瞰的な理論解析を行う。とくに、ハイスループット第一原理計算と化学結合状態の様々な解析手法を組み合わせることで、化学結合状態の俯瞰的な理解と材料設計・探索の指針の構築を進め、有望材料の探索へと展開する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、比較的高濃度の原子空孔を含む相変化材料、超伝導体、蓄電池電極材料を対象に、材料特性に関わる原子空孔近傍での電子状態・化学結合状態の変化に着目して俯瞰的な理論解析を行うことを目的としている。とくに相変化材料において、相変化メカニズムの詳細が理解されていないことが更なる材料設計・探索を難航させている。このような状況を打開することを目指して、本研究分担者らが独自に開発してきた化学結合状態の様々な解析手法と本研究代表者らが開発を進めている高精度と高速を両立したハイスループット第一原理計算手法を組み合わせ、さらにはデータ科学的アプローチも取り入れることで、電子状態・化学結合状態の俯瞰的な理解と材料設計・探索の指針の構築に向けた研究に着手した。そして、その知見に基づいて新たな有望材料の提案へと展開することを最終目標として研究を推進した。 本年度は、まず、スーパーコンピュータ上での第一原理計算及び電子状態・化学結合状態解析プログラムの実行環境の構築を進めた。そして、リチウムイオン電池正極材料として重要なLiFePO4を主要なターゲットとして、その電子状態、磁気構造等の基礎的な特性の観点から第一原理計算に用いる近似や手法を検討した。また、ユニットセルを拡張したスーパーセルにおいて様々な原子空孔の濃度及び配置をカバーしたシミュレーションモデルを考慮し、予備的な第一原理計算の実行及び電子状態・化学結合状態の解析を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通りに第一原理計算及び電子状態・化学結合状態解析プログラムの実行環境の構築を進めるとともに、本研究における主要なターゲットの一つであるリチウムイオン電池正極材料のLiFePO4を対象に、様々なテスト計算を実行し、電子状態、磁気構造等の基礎的な特性の観点から計算に用いる近似や手法を検討することができた。また、様々な原子空孔の濃度及び配置を考慮したシミュレーションモデルの検討も進んだ。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度の予備的な計算・解析結果を踏まえて、LiFePO4に関してより詳細な電子状態・化学結合状態の解析を行うとともに、LiFePO4の類縁材料及び他の材料系の検討へと研究を展開する。後者については、主にGeSb2Te4、Ge2Sb2Te5やGe3Sb2Te6等の相変化材料を取り上げ、これまでに開発してきた電子状態・化学結合状態の解析手法を適用することで物理的・化学的傾向に関する知見を得る。また、その知見に基づいて、原子空孔形成に伴う化学結合状態変化を的確に表現する記述子を提案・更新していく。
|